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少子高齢化を語る

盛岡市長  谷藤 裕明さん(69)

株式会社シリウス代表 佐藤 幸夫さん(71)

 盛岡市は、「ひと・まち・未来が輝き 世界につながるまち盛岡」(市総合計画)を目指す将来像に掲げ、「人がいきいきと暮らすまちづくり」「人が集い活力を生むまちづくり」などの基本目標を設定し、総合的計画的にまちづくりを進めています。その目標を達成するためにも、早急な課題として超少子高齢化への対応は不可欠です。人口減少、若者層の県外流出などによる経済的な損失、増加する高齢者への対応は、行政だけでなく民間企業などと力を合わせて協働の取り組みが求められます。人生100年時代を迎え、アクティブシニアには、新たな役割や社会貢献が期待されます。市政運営5期目に入った谷藤裕明市長、人材育成に力を入れ成長を続けるシリウスの佐藤幸夫代表に、超少子高齢化社会のなかでの今後の取り組みなどについて伺いました。

◇ 盛岡市と企業の少子高齢化の対策は ◇

―人口減少を起因とした経済損失に歯止めをかけるため、市としてどのような取り組みを検討していますか。

谷藤盛岡市長

●谷藤市長  「第一は、盛岡に人を呼び寄せることで、盛岡での消費を拡大する取り組みです。今年はオリンピック・パラリンピック、来年は東北デスティネーションキャンペーンが予定されています。歩いて楽しむまち盛岡の魅力を、ウェブメディアなどを通じて情報発信するなど、観光客の誘致を図ってまいります。第二は盛岡の物産を外に売り出すことで、外貨を獲得する取り組みです。市は昨年、フェイスブックジャパンと地域活性化などに関する包括協定を締結しており、地元企業の情報発信を強化し、さらには、ビクトリア市、花蓮市などの交流実績のある都市をきっかけにした、海外市場における販路拡大の機会創出など戦略的に取り組みたいと考えています」

―盛岡市の企業として、独自に取り組んでいることはありますか。盛岡市への要望などはありますか。

●佐藤代表  「人口減少問題は、大変深刻に受け止めています。当社は現在110人の社員がおりますが、ここ6、7年で社員の家族に30人以上の子供たちが生まれています。その理由の一つとして挙げられるのが独自の福利厚生を導入していることです。第二子には50万円、第三子には100万円を子供手当として支給しています。さらには、子供が生まれた後でも働きやすい職場、子供優先の仕事環境づくりに力を入れています。PTA活動などがあれば、そちらが優先です。企業の支援で人口減少が緩和され、少しでも未来に貢献できればと思います。10年間で、出生100人を超えるように支援したいですね。盛岡市は、保育所の補助など子育て支援に積極的だと感じています。要望としては子育て支援に力を入れている企業に対して、減税や第三子に手当の支給などしてはと思います。財政的に難しい面もあるでしょうが」

―人口流出を阻止する柱として考えられる、安定した雇用の創出、結婚や出産、子育てがしやすい街づくりなどを、いかに実現していくのでしょうか。

●谷藤市長  「これまでの切れ目のない支援などの取り組みで、待機児童の解消が進んでいること、医療費助成事業の拡大による子育て世帯の経済的な負担の軽減など、安心して子供を産み育てる子育て環境の充実を図ることができたと感じております。一方、東京一極集中が進行し、若者の東京圏への転出超過が増加傾向にあり、その対策強化が必要です。特に女性の転出が多い。魅力ある仕事を創る必要があります。現在、盛南地区に整備を進めている新産業等用地へのヘルスケア産業などの集積や農産物の高付加価値化などの取り組みを進めるなどして、若者の地元定着を図りたいと考えています。なかでもトマト関連での新規就農者は増えています。盛岡へのUターン希望者は約5割あり、関係人口の取り組みなどを通じて、移住への希望に応える相談支援体制の充実なども図りたい。昨年、いわて盛岡シティマラソンを開催しましたが、5割近くが海外も含め県外からの参加者で、次の開催が決まれば、関係人口増加にも寄与することになります」

◇ 市も企業もシニアに期待 ◇

―福利厚生が充実していると伺いますが、なぜそこに力を入れていられるか、今後どのような取り組みを考えているのでしょうか。

株式会社シリウス佐藤代表

●佐藤代表  「福利厚生に力を入れるのは社員の暮らしを考えた生活支援のためです。今後さらなる少子化で、人材が不足します。そのなかでどうしたら地域企業として成長発展ができるかを考えた時、福利厚生が決めての一つになります。当社では、女性の活用にも力を入れています。安心して出産してもらえるように、短時間労働も実施しています。女性が県外に出てしまうと、子供を産み育てる人が減ってしまいます。また男女問わず内定者には、アパートやスーツなどの購入資金の一部として、支度金を支給しています。福利厚生費は、将来の投資と考えており、その効果はパートや社員の家族、さらに関係企業などにも波及し、地域社会の貢献にもつながると思っています」

―人口流出するなかで、お二人は、これからのシニアの役割をどう考えますか。

●谷藤市長  「人生100年時代と言われ、健康で力を発揮できるシニアの方が、その知識や能力を活用してもらう時代に突入しています。自分なりのこだわりや価値観を持ち、仕事、趣味やボランティアに意欲的であり、生涯現役志向が強く、消費意欲も高い方を一般に『アクティブシニア』と言っていますが、本市でもこのような元気な高齢者が増えると推測されます。今後、人口減少と少子高齢化がさらに進み、人手不足や経済的影響が深刻になると予想されるなかで、本市のアクティブシニアがそれぞれの能力を十分に発揮し、社会のさまざまな分野での役割を担っていただけることを期待しており、そのために必要な働く場や社会参画ができる仕組みづくりが必要であります。健康づくりと合わせて、スポーツ振興にも力を入れる所存です」

●佐藤代表  「まだまだ社会で活躍できます。毎日、出社しなくても、週2、3日の仕事でも、年金と合わせれば、十分、生活できると思います。実際当社には、72、78歳の社員がいますが、週3日できちっと働いています。私はシニアが活躍できる会社を創り、後半の人生で社会に貢献したいと思っています」

―盛岡市として地域コミュニティのあり方に関しては、どのようにお考えですか。

●谷藤市長  「子育て支援など、行政だけでなく、企業、NPO、町内会、自治会など、地域社会全体で、取り組むことが大切です。いろんな所で、力を合わせてやっていくことですね」

 今後の少子高齢化、人材不足のなか、経験、能力の豊富なシニアの活躍が期待されているようです。


◇ 盛岡市長  谷藤 裕明さん(69)


市債残高-857億円をはじめとし、財政改善額約1,012億円を達成。待機児童解消に向け、小規模保育所などの新設増改築に補助・若手保育士の処遇改善を行い、4月1日時点での待機児童数4年連続0の達成。玉山村と合併することにより「中核市」へ移行も行った。現在第5期目。

◇ 株式会社シリウス代表 佐藤 幸夫さん(71)


94年に盛岡市でシリウスを設立。一代で年商約100億のグループ売上高を誇るシリウスグループを育てた。住宅事業では岩手県持ち家着工数14年連続No.1を達成。新築住宅供給実績4,000棟以上と供給実績を伸ばし続ける。人生訓は『死ぬこと以外かすり傷』

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