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キャンプで広がる社会の輪

岩手県キャンプ協会 会長

佐々木 繁夫 さん

キャンプで自然からの題材を学ぶ

 かつてキャンプと言えば、敷居の高いイメージがありましたが、ネットの普及で、道具も購入しやすく、知識も簡単に得られるようになり、昔よりも気軽にできるようになりました。

 そんなキャンプを通して子どもたちと地域交流、世代間交流を長年、実践してきた方が岩手県キャンプ協会会長の佐々木繁夫さんです。「自然には題材が無限にある」と協会設立より理事を務め、社会教育の一環として活動している佐々木さんの姿に迫ります。

幼少期、キャンプリーダーの姿に憧れた

 佐々木さんの生まれは奥州市胆沢地区。自転車店を営む家庭に長男として生まれました。小さい頃からチャンバラや魚とりなど外遊びが大好きなやんちゃな子だったとか。そんな佐々木さんですが、小学生の時に参加したキャンプで出会ったキャンプリーダーに感銘を受ます。「集団生活のなかでみんなをまとめるリーダーがとにかくカッコ良くて。自然に興味をもって活動できるよう工夫してくれたり、協力の大切さを教えてくれる姿に憧れましたね」と話します。

 その影響から、子どもたちへ教える立場を志し、教諭の道へ進みます。高校卒業後、東京の大学へと進学。「読売新聞育英奨学生の1期生として、実家の仕送りに頼らず生計を立てました」と佐々木さん。4年間365日、朝は3時半に起床し朝刊配達、放課後の夕刊配達と1日2回の新聞配達に勤しみ、おかげで両親に着物を買ったり東京見物に招待したりと親孝行もできたとか。「同じ奨学生が仕事で辛い顔をしている時もあり、それでは駄目だと鼓舞して頑張りました」。勉学と両立できたのも憧れのリーダーの姿を追い続けていたからなのかも知れません。

教諭とキャンプ協会、二足の草鞋

 大学卒業後に教諭として岩手に戻った佐々木さんは数年後に山田町に新設された県立陸中海岸青少年の家で社会教育主事として働くことになります。「野外活動やレクリエーション指導が主な担当で、多い時は200人を指導しました。子どもたちに聞く耳を養ってもらうため、マイクを使わないで話すことを方針にしました。キャンプ生活は、生きていくために必要な助け合いの精神が身につく社会生活の縮図です。大自然のなかでさまざまな人と関わり、協力し、助け合う大切さを体験を通して学ぶ機会にしてもらいたかったです」と佐々木さん。社会教育主事の仕事を続け数年後、小中学校の教育現場へ戻りますが、平成5年、岩手県キャンプ協会設立と同時に協会に所属。定年まで二足の草鞋を履きながら活動しました。

経験から始まる学び 学びから磨かれる人間性

 現在の岩手県キャンプ協会は、キャンプの普及と発展を図り、指導・交流以外にもキャンプ指導者の育成や、多方面からの要望に応じ活動などを行っているそう。「初代会長より、野外活動の知識の上に人間性を磨くとさらに成長すると言われていました。社会生活の縮図のなかで、どう協力し、絆を醸成して学び合うか。実体験はさまざまな発見があり、人間性を養います。今後も会員の特技を活用した、地域づくりに貢献していきたいです。自然災害も増えているので、防災キャンプ体験をさせて将来の街の防災リーダーも育てたいですね」と意欲を語る佐々木さん。人間性を磨くことで深まるキャンプ活動。人間性あふれる佐々木さんの活動をみて、憧れる若者が増えていくことが期待されます。

佐々木 繁夫 さん

1946年、奥州市出身。水沢高校、国士舘大学を卒業後、県内の小・中学校教諭や県立青少年の家での社会教育勤務などに従事。平成5年、岩手キャンプ協会設立時より所属、平成23年同協会会長。その他、岩手県レクリエーション協会副会長なども兼任し平成17年文部科学大臣より生涯スポーツ功労賞受賞(レクリエーション)。県内のコミュニティ活動の一役を最先端で担っている。活動内容など気になる方は「岩手県キャンプ協会」で検索

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