今回は拡大版ということで、二つの山のご紹介。 「そうだ!田代山を登ろう」。八幡平市の北、西根寺田にある田代平高原は今、グリーンシーズン真っ盛り。健康的で体にやさしい登山をしたい、ミドリに癒されたい、四季折々の自然を味わいたいと思うとき、私はお気に入りの山スポット「田代山」を登る。
最大の魅力は、トイレのある駐車場を起点に「3時間くらいで縦走」できること。時計回りでも逆回りでもOK。県道30号を東へ200m歩き、古い作業小屋から草原へ。分岐で右の道へ進み、樹林帯をジグザグに登って尾根に上がる。
林から飛びだすと、眼下に田代平高原がパーッと広がり、汗ばんだ体も爽快だ。目の前にド〜ンとそびえる七時雨山の北峰。南峰は隠れて見えないが、ふもとの牧野や幾何学文様のキャベツ畑が相まって、ヨーロッパ的な風景美を醸しだす。上昇気流に乗った霧が、風景を閉じたり開いたり。この浮遊感はまるで宇宙旅行だ。昔、放牧された馬がササを食むうちに立ったという「駒木立山」へ登り、さらに田代山・三方沢山・三曲山とつなぎ、サン燦道口へ下れば展望の縦走は終了する。 七時雨カルデラライン(外輪山)に囲まれた高原の暗闇は深い。いつぞやの星空観察会は、天然プラネタリウムそのものであった。