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岩手の若きリーダーたち

青年会議所
盛岡青年会議所 理事長 田屋舘 真留久 さん
花巻青年会議所 理事長 松田 治樹 さん
日本青年会議所東北地区 岩手ブロック協議会 会長 八重樫 利久 さん
水沢青年会議所 理事長 佐藤 恒一 さん
一関青年会議所 理事長 小山 裕貴 さん

 よりよい社会をつくりたい、自分が暮らしている地域をもっと元気にしたい。そんな思いを持つ若者有志が運営・活動する「青年会議所(JC)」。岩手県にも13地域の青年会議所があり、それぞれの思いを胸に若者たちがまちづくりに取り組んでいます。そんな「これからを担う、若きリーダーたち」が集まる、岩手の青年会議所のトップたちに話を伺ってきました。

青年会議所とは

 青年会議所のルーツは、1915年。自由な社会と経済発展を実現し、新しい社会をリードするにふさわしい人材育成を目的として、アメリカ・ミズーリ州セントルイスに生まれた青年活動グループから始まりました。やがてその活動は、アメリカの社会的活動を担う主要な青年団体へと発展。1944年にはアメリカと中米の計8カ国から成る「国際青年会議所(JCI)」が発足し、年々加盟国を増やしていきました。

 日本では、1949年、戦後の混沌とした時代を背景に「東京青年商工会議所(のちに青年会議所と改名)」が立ち上がり、その後全国各地に青年会議所が誕生。1951年には全国的運営の総合調整機関として「日本青年会議所」が設立され「修練」「奉仕」「友情」の三つの信条のもと、社会的課題に積極的に取り組んでいます。また、国際青年会議所メンバーとして各国の青年会議所と連携し、世界をフィールドにした活動も展開しています。

岩手における、青年会議所の役割と活動

 青年会議所は、国籍や人種、性別、職業、宗教の区別なく、おおよそ20歳から40歳までのメンバーで構成されています。

 岩手には、盛岡をはじめ13の青年会議所があり、総計524名(2021年現在)が会員として活動。行政や他団体と協働し、お祭りなどの地域行事を開催したり、ひとり親世帯の支援や青少年育成事業など、それぞれの地域のニーズや課題解決に対応した社会貢献活動に取り組んでいます。

 そんな岩手県の青年会議所のサポート役を務めるのが「岩手ブロック協議会」。今年度は「心の豊かさ溢れ共感が生まれる岩手の実現」を理念に掲げ、全県的な活動を展開。2021年度の協議会会長を務める八重樫利久さんは「地域の明日を担う覚悟を持った会員会議所と共に、目には見えない絆を大切にしながら、人の心を豊かにする運動を推進しています」と話します。

 今年6月に、岩手全域から会員が集う「第50回岩手ブロック協議会会員大会in陸前高田」を開催。ほかにも、「いわてJAYCEEアカデミー」での、地域の企業と学生とがディスカッションし、共に岩手の未来を創造していく事業や、SDGsアドバイザー養成講座など、地域の青年会議所として求められる人材、必要とされる団体になるための、さまざまな企画を実施しています。 

「地域の未来を考えることは、人の未来を考えること。ひいては、地域に暮らす高齢者や若者、そして子どもたちの未来を考えることだと思います。物質的な豊かさだけでなく、経済的な尺度では測れない心の豊かさも意識し、“どうなりたいか”“どう人と関わるか”という意思と覚悟を持って岩手の未来を創造していくリーダーでありたい」と八重樫さん。

 より具体的な、地域の未来を思像し、向かう目標を掲げることで、人が繋がり豊かさの向上になると語ります。八重樫さんたちがこの会に入り、活動をするきっかけはなんだったのでしょうか。

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 県内各地域で、よりよい社会づくりを目指し活動している青年会議所のメンバーに、入会のきっかけや、活動を通じて感じていることなどを聞いてみました。

みなさんの入会のきっかけも伺っていいですか。

八重樫さん(以下八):先輩会員に誘われたのがきっかけです。はじめは人脈が広がるといいな、ぐらいの気持ちでしたが、先輩方が活動する姿を見ているうちに、地域を元気にすることが自分の会社、自分たちの暮らしにつながっている、と気づき、積極的に活動するようになっていきました。

日本青年会議所東北地区 岩手ブロック協議会 会長 八重樫 利久 さん

盛岡青年会議所 理事長 田屋舘 真留久 さん

田屋舘さん(以下田):私も、同世代の知り合いを増やしたいというのが入会のきっかけでしたが、活動を通して「地域のためにすることが、自分のためにもなる」と考えられるようになりました。人脈が広げるだけでなく、自分自身も成長できたと実感しています。

松田さん(以下松):「青年会議所」がどんなところなのかも知らずに、誘われるまま入会しました。でも、先輩たちに付いて活動するうちにどんどん自分の考え方が変わり、地域の課題を自分のこととして捉えるようになりました。

小山さん(以下小):私も、ネットワークを広げたい、というのがきっかけでした。一関で創業したのですが、代々続く会社に比べると地域との結びつきが弱く、どこに行っても「あなた誰」って状態で…。けれど、青年会議所で活動するうちに会員やOBとのつながりができ、いろんな人に自分自身や会社のことを知ってもらえるようになりました。

佐藤さん(以下佐):他県の大学を卒業後、家業を継ぐため地元(奥州)に戻ってきたのですが「ずいぶん寂しくなったな」と感じました。青年会議所に入会したのは、人脈づくりもそうですが、地域で商売をやっていくためにも、地域を活性化しなければ、という思いもありました。活動を通じて「自分のため」から「地域のため」へと視点が変化するんですね。

八:「地域のために何ができるか」という視点を持つ人材を育てるのが青年会議所。まちづくりをしながら人づくりをしています。

佐:先輩と一緒に活動をしていくうちに、自分の中にも「こういうことをしたい」「この課題を解決したい」という思いが生まれる。最初は「一人の思い」だとしても、ヒアリングやデータで裏付けをとり「やっぱり必要だ」となれば、青年会議所の事業として取り組むこともできます。

小:青年会議所の活動には2つあって。一つは、毎年開催するイベントの運営など、先輩たちから引き継いだ事業。もう一つが、その年の理事や役員が課題を見つけ「取り組みたい」と提案した事業です。一関の場合は、フードバンクの活動。地域に1000世帯のひとり親家庭があり、貧困問題に直面しているケースも少なくないことを知り、フードバンクの活動を始めました。青年会議所が「火種」をつくることで賛同する人たちを増やし、支援の輪を広げられたら、という思いで取り組んでいます。

松:花巻では今年、社会福祉協議会、富士大学と連携協定を結びました。青年会議所だけではできなかった活動ができるようになったり、地域に新しい価値を創出できると期待しています。

水沢青年会議所 理事長 佐藤 恒一 さん

一関青年会議所 理事長 小山 裕貴 さん

佐:青年会議所自体に大きな力はなくても、行政や関係機関、民間など色々なところとの繋がりを生かし、巻き込めるのが強み。私が所属する水沢青年会議所は、東北新幹線の水沢江刺駅の設置運動に大きく関わったという実績があります。市民の請願で駅ができるってまれなことなんですが、思いを実現した先輩方は本当にすごいなと思いますし「自分たちにもできる」という励みにもなります。

花巻青年会議所 理事長 松田 治樹 さん

「地域に対する思いをどうしたら形にできるか」という学びもあるんですね。

田:そうです。青年会議所の活動を通していろんな経験をすることで、課題をみつける力、それをどう提案し解決するかといった力を身につけることができる。それは地域への貢献だけでなく、自分自身の仕事にも役立っていると実感します。

八:青年会議所での活動は、学びと気づきの場。会員だけではなく、ネットワークを生かして行政や地域の他団体と一緒にアクションを起こすなど、まちづくりの仕組みを学び、体験することができます。ひとつの課題に対して、どう考え、どう解決したいかというのは人によってさまざまなので、それぞれの思いやアイデアをくみ取り「みんなの思い」にしていくプロセスも、「人間力」を身につける機会になっていると感じます。

人脈が広がるだけでなくさまざまな体験を通して成長できる。それが青年会議所の魅力である、と。

八:はい。だからこそ、地域のこと、周りの人のことを自分ごととして考え、行動できる仲間をもっと増やしたいと思っています。青年会議所の事業は会員の年会費で賄っているので、会員が増えるほど予算が増え、できることの幅が広がります。もちろんそれだけでなく、多様な人が活動に参加することでいろんな視点や価値観で物事を捉えることができるようになり、地域のさまざまな課題解決や、魅力あるまちづくりにつながると考えます。

会員を増やすことは、まちづくりの当事者を多様にすること。それって、多様性のある地域づくりにもつながりそうですね。

八:その通りです。だから私のような経営者だけでなく、会社員、自営業など、さまざまな人に関わってほしいなと思います。

より多くの人が成長し、人がつながることで大きな力になりそうですね。

八:一緒に学び、成長しながら、地域の未来をつくっていきましょう。興味のある方、話を聞いてみたい方は、お近くの青年会議所にぜひ連絡ください。

近年の対外事業

岩手ブロック協議会
・いわてJAYCEEアカデミー
・選挙における公開討論会
・岩手ブロック大会in陸前高田
盛岡青年会議所
・盛岡さんさ踊り
・わんぱく相撲盛岡場所
・羅東國際青年商會との姉妹JC交流
一関青年会議所
・若手議員とJCとの政経塾
・FARMERS FAIR
・一関夏まつり
花巻青年会議所
・大切な人へ私が出来ること
・HANAMAKI de !きらめき!  〜自分発見プロジェクト〜
・スマイルフェス〜笑顔から生まれる新しい花巻の未来〜
水沢青年会議所
・奥州インディアン旗野球大会
・奥州ビッグバンフェスタ
・みんなでつくる地域の防災マップ
※各一部抜粋になります。各青年会議所のHPをご確認ください。

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