オープン目前の2019年4月、国土交通省から盛岡市都市整備部長に着任した髙濱康亘さん。基礎自治体への出向を強く希望していた髙濱さんにとって、「歴史と文化のあるまち」という印象を抱いていた盛岡市への配属はとても嬉しかったといいます。
「実際は甘くなく、大変なこと続きでしたね」と当時を振り返る髙濱さん。半年後のオープンに向け、本格的な工事がスタートした頃でした。忘れられないのは、地域住民が発した「女性や子どもが寄り付かない場所になる」の一言。説明不足から生じた地域住民との認識の違いを解消するため、町内会を回りました。若者の流出対策、駅前・中心地・材木町をつなぐハブとしての役割、財政面の効果など、木伏緑地の整備目的から丁寧に説明し対話することで、地域からの声は「しっかりやってくれ」というものへと変化。最終的には、地域住民にとって大切な場所を地域・行政・民間の連携でもっといい場所にしていこうというパートナー関係へとつながり、地域と共に舟運文化の復活にも取り組むなど良好な関係が続いています。