シニアズ連載企画が書籍になりました 岩手謎学漂流記発刊の経緯

 平成29年から連載が始まった「風のうわさ イワテ奇談漂流記」(平成30年まで古き浪漫と歩くもりおか)。読者から愛読されてきた、当コーナーが昨年ついに「岩手謎学漂流記 読んで旅するイワテ50の奇譚」という一冊の本になりました。

 著者の高橋政彦さんのことを紹介しますと、宮古生まれの魚屋育ち。高卒後、家業を継ぎますが、20代の頃に地元タウン誌の手伝いをしたことで、本作りや文章を書く仕事がしたいと思い、30歳の時に盛岡の編集プロダクションに就職。以降、情報誌や広告関係の仕事を経て独立。57歳の現在までライター、プランナー、編集業をしながら、家業の目利き担当として仕入れも行っているそうです。そんな高橋さんに何点かインタビューをしてきました。

『岩手謎学漂流記』著:高橋政彦/四六判/240頁

書籍化した理由。

「シニアズ」さんで長く連載させていただいた岩手の風土を楽しく推論していくコラムを、出版社「エンジェルパサー」の杉山氏に書籍化しないかとお声がけいただきました。杉山氏は「コロナ禍だからこそ、読書することで時間を有効に使いつつ、自分の知的栄養になるものを出版するのが自分のできる役目なんです」と仰り、「このロマンのある地元学的なエッセーこそが最適」と熱く働きかけてくださいました。もちろん自著の出版は私の目標でもありましたので、その熱い想いに二つ返事で頷きました。

シニアズでの連載との違い。

 基本的には「シニアズ」のコラムを下敷きにしています。書籍化に当たり、大幅に加筆・編集し、タイトルも見直し、テーマ分けして掲載順も並び替えました。もちろんタイトルも独自に考えました。タイトルにある「謎学」はありそうでいて正式には辞書にも載っていない言葉です。基本的に一話完結のエッセーにしていますので、どこから開いても気軽に「謎学」の探訪に入って行け、読んだ方が興味を膨らませて訪ねていけるよう巻末には略図も添えました。

発刊の秘話。

 私の30年来の師であり、よきアニキである作家の椎名誠さんから、帯への推薦文を書いてもらうことができました。お願いすると椎名さんは喜んでくださり、地方のものとはいえこのテーマは全国に興味を持つ層が確実にいるから、その期待感と責任感と自信をもって出しなさいと言われました。また公私ともに親しくさせている金ヶ崎在住の小説家・平谷美樹さんからは巻末に「謎学と妄想のすすめ」という文章を特別寄稿いただきました。古くから知る先輩方に勢いよく背を押していただいた形でスタートできたのはとても嬉しいことでした。

読者に向けて一言。

 気軽に旅ができない時代に、この本を読んでいる時だけでもワクワクしていただきたいという想いを込めました。シニアズの読者の皆さんと謎学散歩・遠足などをいつか企画・実現できるのを楽しみにしています。ぜひ見てみてください。

『岩手謎学漂流記』

著:高橋政彦/四六判/240頁
エンジェルパサー定価1,870円(税込)

『岩手謎学漂流記』著:高橋政彦/四六判/240頁
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