チャグチャグと鈴の音を響かせ、鬼越蒼前神社から盛岡八幡宮までの約14kmを練り歩く、初夏の風物詩「チャグチャグ馬コ」。滝沢市で農用馬を飼育する大坪昇さんは、3年ぶりの開催を目前に慌ただしい日々を過ごしています。
「昔はどこの家にも農用馬が1、2頭いたものです」と大坪さん。兼業農家の四男に生まれ、馬と触れ合いながら育ちました。板金業、ホテル業など事業経営をするなかで、自分の時間を「趣味と健康のために」使いたいと、40年以上前に馬を飼い始めました。
「競走馬は気性が荒いけど、農用馬は大人しくて育てやすいね」と最初に飼ったのは、小さい頃から慣れ親しんだ農用馬。「1日3回餌をあげたり、運動のため外に出して歩かせたりしないといけないので朝6時から夕方6時半まで一日中世話をしています」と言葉は通じなくても、毎日同じ時間に給餌や手入れをすることで、馬への愛情は伝わると言います。