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人呼んで、姫神の仙人

人呼んで、姫神の仙人

髙橋浩さん

80歳10カ月で7000回登頂達成

 標高1124メートル、日本二百名山の一つに数えられ、石川啄木も愛した姫神山。「お姫様だと思って登ると結構キツイ」といわれるこの山に、毎日のように登り続けるのは、「姫神の仙人」と親しまれる髙橋浩さん。28年前に登山を始め、今年4月に7000回登頂を達成しました。「この写真は、山仲間と記念登山した時のものですが、正確にはこの日で7006回目の登頂だったんです」と髙橋さん。自分のために仲間が集まってくれる記念登山の日に到達できなかったら申し訳ないと、前もって登っていたといいます。

「達成当日は一人だったから静かなものでしたが、記念登山の時はみなさんに祝っていただいて感激しました」。その後も、仲間の祝福と期待に応えたい一心で登り続け、これまでに7034回(5月11日現在)と記録を更新中です。

ダイエットのために53歳で登山を始める

 髙橋さんが姫神山に登るきっかけとなったのは、28年前に旧玉山村役場が推奨した「歩け歩け運動」でした。役場職員だったこともあり、迷うことなく運動に参加。当初は一般の道路を歩き、数日かけて仙台まで踏破したこともありました。 「当時は85キログラムもあったから、体重を減らすために足にマメを作りながら歩きました」と髙橋さん。やがて、季節を問わず姫神山から下山してくる人を見かけるようになり、「年中登れるなら、平らな道路より山の方が体重は落ちるだろう」と登山にシフトしたといいます。1年目は8回、2年目は9回、そして3年目は100回を超え、登り始めて8年半後の2003年には1000回登頂を達成。気付けば、体重も70キログラムまで落ちていました。体重を減らすために始めた登山でしたが、次第に記録を意識するようになり、退職後は年間300回以上のペースで登り続けています。

「昨年は350回、ほぼ毎日ですから雪山にも登ります。登山道が雪に埋れて、岩場を四つん這いで直登した時は、山頂まで4時間もかかりました」と話す髙橋さん。通常の登山道なら、一本杉登山口から山頂までの所要時間は約1時間30分。50代の頃は40分で登頂したこともありましたが、81歳の現在でも1時間10分程度で登ります。午前10時頃に登り始め昼頃には下山、その後は農作業で汗を流すのが日課となっています。

新たな目標は84歳で8000回

 雨の日も雪の日も、なぜ姫神山に登り続けるのか尋ねると、「狂っているからね」と髙橋さん。「健康のためだけに、ここまでやる人はいないだろう」と笑います。300回を超えた頃から「変わっている」「狂っている」と言われ、5000回を超えた頃には「仙人」と呼ばれるようになりました。今では「仙人さん」と呼び止められ写真撮影に応じ、「パワーをください」と握手を求められる、いわば姫神山のシンボル的な存在です。すれ違う登山客に「一万回を目指して頑張ってください」と声をかけられたり、「仙人」に会うために姫神山に登る人もいる今の状況を、「幸せだね」と微笑みます。自身のダイエットのために始めた登山は、続けることで記録となり、そのチャレンジを応援するファンも増えています。周りからの期待は励みになるという髙橋さんの新たな目標は、84歳で8000回登頂。

「一万回を期待する声もありますが、上限は決めずに歩けるうちは登り続けます」と話してくれました。  梅雨が開ければ、本格的な夏山シーズンの到来です。あまり知られていませんが、天気が良ければ鳥海山や岩木山を見渡すことができるといいます。山での出会いやコミュニケーションも、登山の楽しみの一つです。髙橋さんを見かけたら「仙人さん」と声をかけて、姫神山トークに花を咲かせてみませんか。

山道をしっかりと踏みしめてのぼる髙橋さん

髙橋 浩さん

1941年生まれ、盛岡市玉山馬場出身。旧玉山村役場退職後、和牛繁殖と農業を営む。53歳からがんと仲良くしながら28年。休日は家族で仙台、石巻方面までドライブを楽しむクルマ好きで、車庫にはホンダのオープンスポーツカー「S660」も。80代とは思えないムキムキの脹脛で登山を続ける元気の秘訣は、野菜中心の食事と、しょうゆ代わりに酢を使うこと。アドベンチャーレーサーの田中陽希さんと姫神山で一緒に撮った写真が宝物

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