新着ニュース

技術伝承にかける情熱

雫石町にある盛岡セイコー工業株式会社は、各種時計の部品製造と組み立てを行っている会社です。中でも雫石高級時計工房は、高級機械式時計の部品から組立までの一貫生産を行う国内有数の専門工房です。高い技術を備えた熟練技能士たちが、一つひとつ手作業で丁寧に作り上げています。なかでも、200以上に及ぶパーツをミクロン単位で調整し組み上げていく「組立師」の仕事はまさに職人技。そんな高い技術を若い世代に継承しようと情熱を燃やしているのが、技能育成塾の観音堂和司さんと雫石高級時計工房の齋藤勝雄さんです。観音堂さんは高校在学中、セイコーの工場が誘致される事を知り、設立したばかりの盛岡セイコーに入社。以来、組み立て畑一筋。盛岡セイコーが製造する多くの時計の標準書(組み立てマニュアル)を手がけるなど、いわば「盛岡セイコーの生き字引き」。2009年には卓越した技能者に贈られる「現代の名工」、2012年には「黄綬褒章」を授与されています。10年ほど前に新設された技能育成塾に移籍し、現在は技能五輪を目指す若手の指導を行い、これまで培ってきた技術と職人としての心構えを、若い世代に伝えています。やりがいを尋ねると、「教え子がいい成績を収めたり、結果を出したときがいちばんうれしい」と観音堂さん。「若者の貴重な時間を預かる身。大きな責任も感じます」と話します。  一方齋藤さんは、現役の組立師。社内にある「雫石高級時計工房」で、セイコー製品のなかでも特に高い技術を必要とする、高級ドレスウォッチ「セイコー クレドール」の組み立てを担当しています。盛岡セイコーが手がける「キャリバー68シリーズ」の組み立てができるのは、精鋭揃いの工房にあって齋藤さんとその弟子の2人のみ。技能だけでなく、「心の強さ」がなければ組み上げはできないと齋藤さんは話します。「弟子に伝えているのは、天狗になるなということ。自分はすごいと思った時点でそれ以上伸びなくなります。ものづくりに100%はありえない。私も、自分が理想とする姿にはまだまだ到達できていないと感じています。日々修行の毎日です」と、その向上心は指導する立場になっても変わりません。言葉や数値だけでは伝えきることのできない時計組み立て技術。組立師として長年歩んできた2人の背中が、技術はもちろん、職人のあるべき姿を若手に伝えています。

盛岡セイコー工業株式会社HPはコチラ

関連記事

ページ上部へ戻る