取材協力:ミルクホール マイカ
紫波町にある日詰商店街。ふれあい広場に面した「ミルクホール マイカ」のドアを開けると、カウンターの向こうから店主の福士麻未さんが笑顔で迎えてくれます。
福士さんは紫波町出身。将来服屋を開きたいという夢を抱いて東京の服飾専門学校へ進学しましたが、体調を崩し地元へ戻ることに。その後、実家の鉄工所の事務などをしていましたが、思いがけず叔母の始めたスナックを手伝うことになりました。スナックでは、カウンターのママを通して見知らぬお客さまの間にも会話が生まれます。福士さんはそこで働くうちに人と話す楽しさに目覚めたそう。
そんな時、商店街から実家の鉄工所に空き店舗のリノベーションの話が舞い込みます。空き家となっていた建物を新たな店舗として活用できないかという話を受け、福士さんに「もとは服屋をやりたかったけれど、人と人との交流が生まれる飲食店も面白い。自分が今やりたいお店をやってみよう」という思いが生まれます。
そこで商店街のお店とジャンルが被らない、自分が好きなソフトクリームの店を開くことに決め、老朽化していた建物も家族総出のDIYで改修。こうしてカウンターだけのソフトクリーム店ミルクホール マイカが誕生しました。
マイカのソフトクリームは北海道産牛乳を使用。バニラを使わず、濃厚でもさっぱりと軽い後味が特徴で、チョコレートなどのソースをかけても楽しめます。電気ブランや日本酒を使った大人のソフトも人気だそう。
お店の名前には、明治期にあったミルクホールのように人々が交流できる場所にしたいという思いが込められているとか。その願いの通り地元の人だけではなく、沿岸など遠方からもお客さまが訪れてソフトクリームとおしゃべりに興じます。オープンから9年たった今では商店街の交流の場として親しまれるようになりました。
「昼間のスナックなんて呼ばれているんですよ」と笑う福士さん。カウンターから生まれる楽しさを味わいに訪れてみてはいかがでしょうか。




ミルクホール マイカ
紫波町日詰郡山駅210-8
019(618)8098
※工事のため現在は休業中。プレオープンは来年1月の予定。営業日詳細はお電話を。