遠野市の新たなランドマークとなっている「こどもの本の森 遠野」。世界的建築家の安藤忠雄さん(82)が震災復興と子どもの未来のため、設計・建築し、同市に寄贈した施設です。120年を超える商家の古材を活かし、らせん階段や畳の部屋なども配置して改築。1万3000冊の蔵書が、自然、動物、将来、生きるなど13のテーマごとに、壁面の棚に並んでいます。吹き抜けスペースには高さ4メートルの古木が森の樹木のように伸び、ゆったりした空間が広がり、自然に本が読みたくなります。2周年を迎えましたが、今なお、県内外から家族連れや若者、シニアまで訪れる人が絶えません。三陸地域の田中君代さん(75)は、「本当に本の森にいる感じ。懐かしい絵本を読んでます。初めて来ましたが、もう和んでいます。何度でも来たい」と寛いで本を読んでいました。施設中では、子どもが走り回ったり、声を出してもOK。遠野市役所 文化課こども本の森運営企画室長の伊藤芳さん(52)「子どもも走ったあとは、ちゃんと絵本を読んでいますね。絵本から小説、写真集、生き方を見直す本までありますので、シニアの方も来ています。全ての世代に本に触れ、心に残る本に出会ってもらえれば、嬉しい。それが安藤さんの思いでもあります」と話していました。