次回の8月号ではLEDライトを光らせてみます。お楽しみに!
前回の工作で、そういえば中学校でオームの法則を習ったかな?と記憶をたどっている方もいるでしょう。今回は抵抗を自作してLEDを光らせる実験してみましょう。
前回作ったLED点灯回路の抵抗を取り去って、写真のようにクリップコードをつけます。
- つまようじにティッシュを少し巻きつけ、その上からしょうゆを垂らします。
- 赤と黒のクリップの間隔を1㎝ぐらい空けてしょうゆで湿った部分を挟むと、LEDが点灯します。
- 同じ手順で塩水、酢、唾液などをティッシュに含ませ、LEDが点灯するか、明るさに違いがあるか確かめてみてください。
- 細長い紙を墨汁や鉛筆で塗りつぶし、黒い部分をクリップで挟んでも抵抗になります。
この実験から、電気を通す物体はすべて抵抗にできることが分かります。それぞれの抵抗で明るさが違うことに気付いたかもしれませんが、これは電気を通す成分の違いで抵抗値が変わるからです。
実験をしながら、学校で教わった「電圧÷電流」という抵抗を求める公式を思い出した方もいるかもしれません。ただ中学校ではキロオームやミリアンペアの表現がなかったと思いますのでそのお話をしましょう。キロやミリは数値の接頭語で10のべき乗を意味する言葉です。LEDを光らせる電流は通常10mA(ミリアンペア)です。5V電源だと300Ωの抵抗を使うことでこの電流になります。このときオームの法則を使い、LED電圧が約2Vだとして5V−2V=3V。これを抵抗300Ωで割ると0・01Aになりますが、これを10mAと呼んでいます。
一方LEDは電圧のかけ方で電流が流れたり流れなかったりの状態になります。これは「電圧÷電流」の抵抗の値が一定値ではないからです。次回はその紹介をします。
準備するもの
つまようじ、ティッシュ、しょうゆ、塩水、酢、唾液、LED、ブレッドボード、コネクタ付コード
【参考:今回使用した部品】
・ブレッドボード BB-102
・3mm白色LED OSW54K3131A 1パック10個入
・コネクタ付コード(みの虫クリップ&ジャンパーワイヤ)2個入り
今回使用した部品は下記サイトで購入できます。
▶︎秋月電子通商
電気で使う接頭語(電圧、電流、抵抗、電力)
接頭語 | 読み方 | 電圧での表現 |
T | テラ | 1(TV) |
G | ギガ | 1(GV) |
M | メガ | 1(MV) |
k | キロ | 1(kV) |
m | ミリ | 1(mV) |
μ | マイクロ | 1(μV) |
n | ナノ | 1(nV) |
p | ピコ | 1(pV) |
電流(A)、電力(W)、抵抗(Ω),周波数(Hz)などもこの接頭語で表現しています。