小型塩水電池を作ろう

小型塩水電池を作ろう

やってみよう!かんたん工作
佐藤先生のやってみよう!かんたん工作

盛岡黒石野文化部 佐藤清忠さん

 次回の発行日は1月26日(日)です。公開まで今しばらくお待ちください。

 12月号でご紹介した塩水電池を作ってみましたか。まだLEDが点灯し続けている方もいるかもしれませんね。しかし製氷皿を傾けると水がこぼれるので置き場所に困っているかもしれません。そこで前回と同じ動作原理の、小型で持ち運びできる塩水電池を紹介します。材料は100円均一の店でそろえることができます。

  1. タレ入れ容器と同じくらいのサイズにスポンジを切り、つまようじなどで容器の中にねじこむ。同じ物を6個作る。
  2. 容器それぞれの上部に画鋲などで、離して2カ所に穴を開ける。
  3.  銅線とアルミ線を5㎝の長さに切り、②の穴に1本ずつ差し込む。中で線同士が接触しないように気を付ける。
  4.  銅線側とアルミ線側が隣り合うように容器を並べテープで固定する。
  5. 図を参考にアルミ線、銅線、LEDをつなぎ、容器に塩水とオキシドールを注ぐとLEDが点灯する。
市販の分光シートをコップにかぶせてみた完成例。万華鏡のように光が広がります

 使用する銅線は細いもので構いませんが、アルミ線は次第に溶けてなくなるので1㎜程度の太さがあるとよいでしょう。完成したライトの明るさは枕元で眺める程度の微弱なものですが、ビー玉などを敷きつめたガラスコップに入れると、光が散乱してきれいです。もしあれば、市販の分光シートをかぶせるとさらに光が拡散して豪華に見えます。

 光が弱くなったときは、キャップを開けてオキシドールを数滴垂らすと光が強くなります。自ら手作りして手入れをする明かりは愛着が湧きますよ。光が弱まると、どうしたのかな、頑張れと声をかけたくなります。ぜひいろいろ工夫して楽しんでみてください。

※アルミ線が長時間漬かった塩水は多少の毒性を持つ可能性があります。多めの水で希釈して廃棄し、スポンジは燃えるゴミに出してください。

準備するもの

タレ入れ容器、スポンジ、銅線、アルミ線、LEDライト、10%塩水、オキシドール、つまようじ、画鋲、テープ、コップ

【参考:今回使用した部品】
・間接照明 ボトル用ワイヤーライト 70cm インテリア 336355

今回使用した部品は下記サイトで購入できます。
▶︎Watts(ワッツ)

【 補足説明 】

 電池のセル(約0.5Vの小電池)にする①のタレ入れ容器は1.5cm×1.5cm×3cmの本体に高さ1cmの丸形キャップがついています。銅線とアルミ線をささえるスポンジは、約1cm×1cm×3cmの大きさに切断して容器にねじこみます。

 キャップ脇に対角線状に小さな孔をあけ、銅線(+側)とアルミ線(-側)を差し込みます。

 容器は隣同士を両面テープで貼り付けます。そのあと細い銅線をアルミ線にまきつけ、アルミ線を少し折り曲げ、かしめて接続します。(銅線の巻きつけにピンセット、かしめる時はラジオペンチを使ってください。)

 6個直列にすれは約3~4Vになり白色LEDを点灯することができます。この工作をしたらまずLED1個を直接、+、-の電線にクリップ等でつないで、塩水とオキシドールを注入して点灯するかどうか確認しましょう。動作原理は「塩水電池を作ろう」を参考にしてください。なお容器に圧力を加えると上部の電線の孔から水がこぼれます。そっと持つようにしましょう。

 今回はワイヤライトというLEDを使いました。こちらの電池部分とLED8個分の電線部分を切断し、塩水電池で光らせます。8個全部、光らせることもできますが、今回は4個のLEDを使って光らせました。

 ワイヤライトの電線はホルマリンで絶縁されており、紙やすりでこするか、ガスコンロで熱くして2cm程度、芯線をむきだします。それを銅線、アルミ線にまきつけましょう。なおワイヤライトの電線は極性がわからないので試行錯誤して点灯する極性を見つけて接続します。

 ワイヤライトを半分で切断すると図のようなLED回路になります。もしワイヤライトLED商品が入手できないときは、手持ちの発光ダイオードを同じ色どうしで何個か並列接続して光らせてみましょう。

 できるだけ細いエナメル線のような電線を使うと後の作業がしやすいと思います。なお「LED、なぜ光る?」で紹介しましたが白色と赤色のLEDは光る電圧が違い、これらを図のように並列につなぐと赤色LEDだけ光ります。同じ色のLEDだけにして並列につなぎましょう。

 電池とLEDをメンデングテープでひとまとめにします。キャップから時々オキシドールを入れるので側面で束ねましょう。運搬時に電池から水が少し漏れることもあるので、濡れてもよいものに電池を乗せて、ガラスコップに入れましょう。

 なおこの装置にはスイッチがないので、昼も夜も光り続けて電池能力を消耗します。電線の一部をクリップではさむなど、夜だけ光らせるように工夫するのもよいでしょう。

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