JR中央線の中野駅南口から徒歩で約15分、閑静な住宅街の一角に堀越高校があります。創設者の堀越千代は安政6(1859)年8月15日、盛岡上田組町で盛岡藩士村野儀兵衛の四女として生まれました。
千代は幼い頃から聡明で、9歳の時(明治元年)漢学の学習のため上京しました。明治10(1877)年、堀越修一郎と結婚。修一郎は仙台藩士堀越市太夫の二男、仙台藩校の養賢堂で学んだ俊秀でした。教育への大きな情熱から、ふたりは明治30(1897)年に和洋裁縫女学院を麹町区飯田町(現:千代田区飯田橋)に創設しました。その後和洋女子専門学校を経て和洋女子大学となり千葉県市川市に移転しましたが、草創の地には現在付属中学校・高等学校が建っていて、中高一貫校を兼ね備えた大学として発展を遂げています。
修一郎は大正7(1918)年71歳で世を去りますが、千代の教育への情熱は衰えず、堀越高等女学校を創設したのは大正12(1923)年の時です。千代が初代校長に就任しています。
千代は昭和23(1948)年4月4日、89歳で亡くなりますが、その後孫である三代目校長・堀越克明の時に男子部を創設、共学となりました。昭和48(1973)年には普通科過程に「芸能活動」コースを新設、このコースから郷ひろみ、野口五郎、石川さゆり、森昌子らを輩出し、堀越高校は芸能人が通う高校として有名になっていったのです。