開運橋と石井省一郎

開運橋と石井省一郎

岩手の先人こぼれ話
岩手の先人こぼれ話シリーズ

宮沢賢治学会 前副代表理事 佐藤竜一さん

 盛岡を代表する橋といえば開運橋ですが、落成したのは1890(明治23)年11月1日、盛岡駅開業と同じ日でした(現在の橋は建て替えられたものです)。盛岡駅が開業するまで、仙台に行こうとすれば馬車か人力車を使うしかなく、丸2日かかったといいます。それが鉄道に乗れば、わずか6時間40分で着くのですから、当時の人々の驚きは大変なものでした。

 時の岩手県知事は石井省一郎です。石井は盛岡駅開業と併行して街路整備を進めました。従来北上川に架かる橋としては夕顔瀬橋がありましたが、新しくできる盛岡駅には少し距離がありました。そのために、盛岡駅近くに新しく開運橋を造ることにしたのです。

 石井は九州にあった小倉藩の出身で、1884(明治17)年から1891(明治24)年にかけて岩手県知事を務めました。茨城県知事として転出してからも盛岡への愛着があり、たびたび訪れたといいます。盛岡市の保存建築物の一つに指定されている石井の私邸に関しては、報告書に「明治20年前後の建築物で盛岡市に現存する最古の洋風建築」と記載されています。設計施工の時期は未詳ですが、1886(明治19)年頃に竣工したと推定されています。今も現役で使用されていて、美術展などが開催されています。

旧石井省一郎私邸(盛岡市清水町)
旧石井省一郎私邸(盛岡市清水町)

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