慢性腎臓病の予防や食事療法で大切な塩分の制限。引き続き、今回は加工食品・外食の塩分と減塩の工夫を取り上げたいと思います。
● 注意したい加工食品の塩分(表1)
塩分の多い加工食品の摂取量・回数を減らすことでも減塩が可能です。手軽で食べやすいベーコンやハムなどの加工肉類、ちくわなどの練り製品には漬物と同じくらいの塩分(2〜3%)が入っています(表1)。その昔、ちくわをワサビしょうゆで食べる光景をよく目にしましたが、ちくわ1本(40g)は、1gの塩分を含むので、漬物にしょうゆをかけるのと同じことです。
塩分の多い加工食品は、単独(例:ウインナー3本だけなど)で食べず、炒め物やグラタン、酢の物など料理の味付けとして取り入れることをお薦めします。1食当たりの塩分量が減り、減塩につながります。
● 組み合わせに注意(表1・表2)
コンビニでよく目にする、おにぎりや弁当とカップラーメンの組み合わせ。一般的に、おにぎり1個の塩分は1g以上、カップラーメン4〜5g、市販の弁当類は3g以上です。そのため、これらの組み合わせは1食で塩分目標量(男性7.5g未満/日、女性6.5g未満/日、高血圧などがある場合は6g未満/日)をオーバーしてしまいます。減塩のためカップラーメンは、
・ スープは飲まない
・ ミニサイズに変える
・ 減塩カップ麺(塩分1.5〜2.5g)に変えるなどの対策があります。弁当やおにぎりなどには、塩分ゼロのお茶類を組み合せましょう。
● 外食の塩分(表2)
コロナ禍で外食業界が苦しむなか、過去最高の売り上げが見込まれる、大手回転寿司のメニューの塩分を取り上げます。
寿司飯には、酢を効かせるため塩が想像以上に入っています(寿司飯1個15gに、塩分0.25〜0.3g)。5皿(10個)で、2.5〜3.0gの塩分で、つけしょうゆを小さじ1杯(5cc・塩分1g)に抑えても、3.5〜4.0gの塩分になります。これに、茶碗蒸し、カニ味噌汁などをプラスすると塩分はさらに多くなります。
回転寿司は、皿数、サイドメニュー、そして、朝、昼、夕食など前後の食事での塩分調整をして、“ときどき、楽しむ”がお薦めです。