●地域の人を笑顔にするために
県の北部に位置する岩手町。特産品のキャベツや、町技のホッケー、石神の丘美術館が有名ですが、幅広い世代が安心して暮らせるよう、健康福祉にも力をいれている町です。そんな岩手町の岩瀬張地区に「岩瀬張バーチャーズ」という元気なご婦人方の団体があります。
「岩瀬張パーチャーズ」は、平成16年に結成。「今も楽しく活動を続けています」と、代表の細野恵子さん。結成のきっかけは、地元の婦人会がなくなるのが決まったからだそう。みんなで集まる機会をどうしても残したい、でも老人クラブに入るにはまだ早い、と思新しい婦人団体「岩瀬張バーチャーズ」を立ち上げます。裁縫が得意だった皆さんは、自分たちの着物をリメイクしお揃いの半纏ユニフォームを作り活動をスタート。恵子さんが、あれをやりたい、次はこれをやりたいと、みんなで楽しめるものを見つけて提案。「今日はこれをやりましょう」と恵子さんが声をかければ、みんな「やろう、やろう」とすぐに返事をしてくれます。ほかにも、婦人会の演芸会で披露するくらい歌や踊りも得意なバーチャーズさん。そんな皆さんのもとにデイサービスや地元のイベントへの出演の話が舞い込むようになります。「毎回、披露する歌や踊りに合わせて衣装を作っています」と会員の岩崎節子さん。見ている人たちも楽しくなるようにと、みんなで試行錯誤し、企画した出し物は大好評。いろんな人から「この前、見たよ」「すごい活動をしてますね」と声をかけてもらったと、笹渡とも子さん。
「デイサービスのおばあちゃんたちの笑顔を見ると自分たちも嬉しくなる」とやりがいを感じた恵子さん。もっとデイサービスや地域の役に立てることはないかと考えるように。たまたま捨てられていた空き缶を見つけ、空き缶を売って購入した車椅子を、デイサービスに寄贈することを思いつきます。このときも誰も反対せず、活動に協力してくれます。「春にみんなで集めた缶を仕分けして潰したりしました。活動を知り、持って行っ空き缶をくれる人もいました」と地域のつながりを感じたという笹渡テツ子さん。「大変だったけど達成感があった」と言う岩崎さんは、車椅子を買うまでに1年ほどかかったと教えてくれました。今でも空き缶集めの活動は続けており、売ったお金は会員のお見舞金や家族に不幸があったときにお悔やみとして持っていくこともあるそう。お互いを家族のように思いやっているのが感じられます。
●これからも続く笑顔の絆
長年、地域の人を笑顔にしてきた岩瀬張バーチャーズさん。こんなに長く続けられたのは、みんなを引っ張ってくれる恵子さんと、一丸となって協力してくれた仲間がいたからこそ。みんなで集まる日が待ち遠しく、気持ちに張り合いが出ると言います。そんな深い絆で結ばれた「岩瀬張バーチャーズ」をこれからも続けていきたいと願う恵子さん。「家の中にいるだけではボケてしまう」と、みんなの心と体を心配し、最近では、自宅で体を動かして欲しいとみんなにリハビリ体操という体操を広める活動をしているそうです。自分の年齢は気にせず、新しいことに挑戦することが元気の秘訣と語る恵子さん。今日もみんなで笑顔の花を咲かせているでしょう。