今回、シニアズでは、違う考えをもった事業者が、お互いの理念やサービスを持ち寄った時に、新たな協働やつながりが生まれるのではと対談企画を考えました。協力いただけたのは、三協メディケアの齊藤会長とソラスターズ株式会社の山崎さん。経営理念の変遷や社員幸福を中心に据えた経営、そして若者とシニアのつながりについて語った内容をお届けします。
理念とビジョンの共有
山崎:齊藤会長、まずは三協メディケアの理念やビジョンについてお願いします。
齊藤:実は最近、経営目的を見直しました。かつては顧客満足度を最重要視していましたが、70歳を迎えたときに社員の幸福を目的にすることにしたんです。
山崎:社員が幸福であれば結果的に顧客満足度も向上するという考え方ですね。
齊藤:野球のWBC、日本代表チームの目的が『世界一』ではなく『多くの人に元気や勇気や感動を与える』であったことから潮目が変わったと感じたんですね。ちょうど医療機器事業を撤退して、介護事業に集中するタイミングでもありました。
山崎:私たちの会社のビジョンもお話させていただいてもよろしいですか。社名はソラスターズ株式会社といいまして、学習塾とカフェを経営しており、地域教育プロジェクトに力を入れています。地域の課題解決を学生と共に取り組むようなことをやっているような会社です。他にも地域の人や学生が参加し、認知症の人が注文をとる、『注文をまちがえるカフェ』という社会の寛容性をつくる取り組みをやっています。例えばコーヒーを注文しても分からなくなってオレンジジュースとか出てくるんです。けど、そういうオレンジジュースがいいよね、楽しいよねっていう空気を作っていくような、そういう一つの街を作り上げるような取り組みです。
齊藤:いい取り組みですね。認知症の方は否定しては駄目なんですよ。ご飯を食べてないと言われても、さっき食べたでしょって言ったら駄目なんです。じゃあもう一回食べましょうか。といった感じですね。
今後の可能性について
山崎:今回お話されている内容というのは、僕はすごく親和性を感じました。それこそ学生、若者と関わる機会が多いんですけど、経験値がないがゆえに視点がやはり狭いところがあるんです。柔軟な発想とか、アイデアはあるんですけど、ここにシニアの経験が加わったらすごく強いなと思っていて。利用者さんと若者の交流企画を立ち上げたいなと感じています。
齊藤:カフェの取り組みもそうですが、入っている施設の方々が主役になるというのはあまりないんです。だからこそ、この新しい交流の場は必要だと感じますね。
山崎:子どもたちにあなたがいてくれてよかったって言ってもらえるような教育をしていきたいので、人や地域を掛け合わせられるような取り組みを一緒にできたらなと思いました。やってみる価値ありますね。自分を変えるとか、学びを活かす土壌っていうのはすごくすてきで、ぜひ盛岡とか岩手がそういう地域になっていけばと改めて思いました。ぜひ介護と教育の協働を一緒にチャレンジしてみましょう。本日は、この場を作ってくださって、ありがとうございます。
齊藤:楽しかったです。ありがとうございます。