味の変わらぬ珈琲を求めて【珈琲自家焙煎店 はな】

味の変わらぬ珈琲を求めて【珈琲自家焙煎店 はな】

珈琲自家焙煎店はな

取材協力:珈琲自家焙煎店 はな

 金ケ崎町の宿内川(しゅくないがわ)を見下ろす住宅街。路地をのぞくと赤い「自家焙煎珈琲豆」ののぼりが。レトロで温かみのある店内が特徴のこのお店は、安齋広行(あんざいひろゆき)さんと悦子(えつこ)さんご夫妻が営む「珈琲自家焙煎店 はな」です。

 以前は東京の大手撮影スタジオでカメラマンをしていた広行さんは、仕事の中で一流店の料理を口にし、舌が磨かれたと言います。その後岩手に移りカメラマンを続けていましたが、重い機材を抱えて各地を飛び回る仕事は長くはできないと感じていました。そんななか出会ったのが、「納得のいかないコーヒー」。冷めると酸味や雑味が出るコーヒーに、「自分の舌がOKを出さなかった」と言います。

 ならば自分でやってみようと焙煎に挑戦した広行さん。数カ月かけて勉強と実践を繰り返し、ついには焙煎機まで購入しましたがうまくいきません。悩んだすえ、納得のいく味だと感じた軽井沢の店に相談してみることに。恐る恐る電話をすると、店主は焙煎のコツは「時間」と「火力」と「風量」だと話し、店においでと誘ってくれたそう。広行さんがお店にいたのは一日でしたが、へとへとになるほど知識を詰め込んだおかげで、やっと自分の舌が納得する味にたどり着くことができました。

 こうして焙煎以外の道はないと考えた広行さんは、悦子さんと金ケ崎町内に喫茶店を出店。その後胆沢町での営業を経て、見晴らしのいい現在の場所が気に入りここを最後と移転しました。

 お店は広行さんが焙煎を、悦子さんが喫茶を担当。悦子さんも店の切り盛りに面白さを感じており、お客さまに「今日もおいしかった」と言ってもらえるのが嬉しいと話します。

 はなのコーヒーは豆の中心まで均一に火が通っているため、温度が変化しても雑味が出ないのが特徴。「ここのを飲んだら他のは飲めない」という常連さんもいるとか。冷めても味の変わらないコーヒーを、ぜひ時間をかけてじっくり味わってみてください。

珈琲自家焙煎店はな 安齋広行さん・悦子さん
「コーヒーにも感情が入る」と広行さん。お二人が入れたコーヒーはそれぞれ味が違うとか
珈琲自家焙煎店はな
ワッフルやレモンケーキは悦子さんの手作り。ワッフルのレシピは知人のパティシエ直伝だそう
お店について

珈琲自家焙煎店 はな

金ケ崎町西根ニの台5-19

0197-34-0109

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