デジタル終活とは
自分のスマホやパソコン、インターネット上の情報を整理し、亡くなった後や認知症などで自分で管理できなくなったときに備え、準備しておくことを「デジタル終活」といいます。 近年では「デジタル遺品」という言葉も広がりつつあり、インターネット上で利用していたサービスやアカウントなどを指します。IDやパスワードがわからないために、残された家族が各種手続きに困るケースも少なくありません。 こうしたトラブルから家族を守るためにも、デジタル終活に取り組むことの重要性が高まっています。


デジタル遺品による相談
【画面ロック解除が できない!】
故人がネット銀行に口座を開設していたようなので、契約先を確認するため携帯電話会社の店舗に画面ロックの解除をお願いしたら初期化はできるがロック解除はできないといわれた。
【相続手続きが 終わらない!】
故人が利用していたコード決済サービスの残高などの確認のためサポートセンターに連絡して相続手続きを行うことにした。必要書類を出したが1カ月経っても回答がない。
【定額制有料サービスの 請求を止められない!】
カードの利用明細書に不明な請求があったので問い合わせたところ、故人が利用していた定額制の有料サービスの利用料だとわかった。運営元に問い合わせるとIDとパスワードがないとすぐに解約できないといわれた。
脳フレイルと人生会議(ACP)
脳の活性化や会話の機会を増やすために、家族や大切な人と“人生会議”をしてみてはいかがでしょうか。
人生会議とは、アドバンス・ケア・プランニング(ACP)の愛称です。脳フレイルのサインは、将来を考える良いタイミングともいえます。予備力があるうちに、人生会議で自分らしい生き方について、家族や医療者と話し合っておくことが大切です。
•何を大切にし、どんな生活を望むか
•どこで、誰と過ごしたいか
•どんな医療やケアに安心を感じるか
ACPは決して特別のことではなく、誰にでもいつかは訪れる人生最終段階に向けて、本人・家族・医療者が繰り返し話し合い、価値観に沿った医療・ケアを準備するプロセスです。元気なうちに話し合っておくことで将来の不安が減り、家族も迷うことなく支えることができます。未来の自分と家族や大切な人への思いやり、それが人生会議(ACP)なのです。
【家族の負担を減らすため早めに始めよう!】
デジタル終活のやり方

ID・パスワードを書いた紙を
保管しましょう
家族がスマホやパソコンのロックを解除できるようにしておきましょう。ID・パスワードを名刺サイズの紙に書き、上から修正テープで隠します。必要なときはコインでテープを削り、内容を確認します。

エンディングノートに記載して
情報を残しましょう
自分に何かあった際に、家族に自分の情報を残すノートです。パスワードや契約中のサービスについても記載しましょう。

契約中サービスの
ID・パスワードを整理する
契約中のサービスを把握し、相続や解約手続きするのは残された家族です。オンラインサービスは契約書がメールで交付されることが多いため、家族が手続きしやすいようID・パスワードを整理しておきましょう。

アカウントにアクセス
できる人を指名しておく
スマホのソフトウエア提供事業者(Apple、Google)では、アカウント保有者が亡くなった際、別の人がアクセスできるよう設定できるサービスを提供しています。事前に設定しておけば、家族の負担を少しでも減らせます。

