紙芝居っておぼえていますか。昭和の時代、街角でどこからともなくやって来たおじさんが、自転車の荷台で紙芝居を見せてくれていました。子どものころあめ玉を買って見入っていたというシニアのみなさんもいるんじゃないでしょうか。
そんな懐かしい紙芝居を宮沢賢治の作品を通じて次世代に残そうと、昨年盛岡市在住のシニア女性3人が“やまねこ三姉妹”を結成。県南などで“どんぐりと山猫”などの紙芝居を実演しました。
笑(え)手紙講師の佐々木幸子さん(67)は、賢治作品からイメージした世界をオリジナルのイラストで創作。
「子どもだけでなく、シニアにも楽しんでもらっています。紙芝居の思い出を語りかけてくれるシニアもいて、とても嬉しいです」と佐々木さん。アマチュア演劇の丹波とも子さん(70)、竹鼻裕子さん(73)のお二人は、長年演劇で培った経験をもとに、賢治作品の世界に誘うような感情たっぷりの演者役を担っています。
丹羽さんは「小さな演劇である紙芝居文化を絶やすことなく残したい」と熱がこもります。竹鼻さんは「肩の力を抜いて楽しくやっています」と笑顔。さあ、楽しい紙芝居のはじまり、はじまり。