「岩手博物界の太陽」鳥羽源蔵

「岩手博物界の太陽」鳥羽源蔵

岩手の先人こぼれ話
岩手の先人こぼれ話シリーズ

宮沢賢治学会 前副代表理事 佐藤竜一さん

 陸前高田市出身の博物学者として知られている鳥羽源蔵(とば げんぞう)は1872(明治5)年1月20日、気仙郡小友村(現陸前高田市小友町)に生まれました。小学校教員をしながら学問を続け、植物分類学を牧野富太郎に学んだほか、海藻、岩石、貝類など博物学全般に通じ「岩手博物界の太陽」と呼ばれました。

 宮沢賢治は源蔵の学問の深さに尊敬を覚えていて、1922(大正11)年北上川西岸のイギリス海岸で見つけた「クルミの化石」の鑑定を源蔵に依頼したことで、2人の交遊が始まりました。賢治には「寓話(ぐうわ) 猫の事務所」という作品がありますが、この童話には「トバスキー」、「ゲンゾスキー」といった源蔵にちなんだ名前が登場し、賢治が源蔵に対して親しみの気持ちを持っていたことがわかります。

 かつて陸前高田市には源蔵のコレクションが「海と貝のミュージアム」や市立博物館に収蔵されていたのですが、2011(平成23)年の東日本大震災により建物が流されてしまいました。多くの関係機関の協力を得て、2022(令和4)年新たに陸前高田市立博物館がオープン、源蔵に関して詳細な展示がなされています。

陸前高田市立博物館
鳥羽源蔵に関して展示している陸前高田市立博物館

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