血中の中性脂肪と食生活 ―中性脂肪が高くなる意外な原因―

血中の中性脂肪と食生活 ―中性脂肪が高くなる意外な原因―

健康食
正しい知識で食べて元気に 健康食
管理栄養士 菊池洋子さん

 特定検診で“中性脂肪が高い”と指摘され、「コロナ禍で間食が多くなった、運動量が減った、体重が増えた」など、アレコレと思いを巡らせ戸惑っている方もいるかと思います。今回は血中の中性脂肪と食生活を取り上げたいと思います。

● 中性脂肪とは

 中性脂肪というと難しそうですが、私たちの体についている皮下脂肪や肉や魚、油など食品中の脂質も中性脂肪で、中性脂肪=脂肪です。1つのグリセリンに脂肪酸が3個結合したもので、中性を示すことから中性脂肪と呼ばれています。

 中性脂肪は重要なエネルギー源であり、脂溶性ビタミンの吸収や必須脂肪酸の供給源としても不可欠です。ただし、取りすぎは肥満、動脈硬化など生活習慣病の原因になります。

● 中性脂肪が高いのは糖質の取り過ぎ

 血中の中性脂肪が高いのは、その名の通り、脂肪の取りすぎが原因と思いがちですが、実は糖質の取りすぎが原因になることが多いのです。

 例えば、ごはんやパン、ケーキ、アイス、果物、菓子類などの糖質は最終的にブドウ糖になって吸収され、血液に送られます。この時、たくさんの糖質を取ると血中のブドウ糖濃度(血糖値)が上がるので、血糖値を一定に保つために(70〜140mg/‌dl)、すい臓からインスリンが分泌されてブドウ糖をグリコーゲンに変えて肝臓や筋肉細胞に取り込みます。しかし、グリコーゲンとして取り込める量には限界があり、余ったブドウ糖は脂肪細胞に取り込まれ、中性脂肪として蓄積されるのです。

● 果物の取り過ぎにも注意

 果物は別名“水菓子”と言われるように、果物にはブドウ糖の他に果糖がたくさん含まれています。ブドウ糖は小腸で吸収され血中に入りますが、果糖は肝臓の門脈を経て肝臓に入り、その多くが肝臓で代謝されるためブドウ糖のように直接的には血糖を上げません。しかし取り過ぎは肝臓で中性脂肪に合成されるので、果物の食べすぎには注意が必要です。

● 食生活を点検してみましょう

 中性脂肪の値が高い人の多くは、肥満の傾向が見られます。そのため肥満のある方は、まずは減量が薦められます。その際、先に述べたように、菓子類、果物、シメのラーメンなどで糖質の取り過ぎになっていないか。取り過ぎの場合は、減らすことから取り組みましょう。また、アルコールの飲みすぎも中性脂肪を上げる原因となりますので、アルコール量の見直しも大切です。

 一方、青魚に含まれるEPA、DHAなどの脂肪酸が中性脂肪を下げることがわかっています。これらの脂肪酸はサバ缶、イワシ缶などで手軽に取ることができます。意識して日々の食生活に取り入れましょう。

 さらに、酢が中性脂肪を下げてくれることもわかっています。酢をスプレーボトルに入れて食卓に常備し、サバ缶、納豆、目玉焼き、焼き肉などにもシュシュシュと振りかけて食べることをお薦めします。塩分を減らすこともできて、一石二鳥です。

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