健康長寿と免疫力アップ ―食生活と運動で酪酸菌を育てよう―

健康長寿と免疫力アップ ―食生活と運動で酪酸菌を育てよう―

健康食
正しい知識で食べて元気に 健康食
管理栄養士 菊池洋子さん

 腸内細菌と言えばビフィズス菌や乳酸菌が有名ですが最近の研究で酪酸菌が健康長寿や免疫力アップに大切な働きをしているとわかりました。酪酸菌は食生活の改善や運動でも増やせます。今回は注目の酪酸菌を取り上げたいと思います。

● 酪酸を作りだすのは酪酸菌のみ

 腸にはおよそ1,000種類、100兆個もの腸内細菌が生息しています。ビフィズス菌、乳酸菌が善玉菌としてよく知られていますが、今、善玉菌として注目されているのが「酪酸菌」です。

 酪酸菌は食物繊維を発酵・分解して「酪酸」や「酢酸」を作り出す細菌の総称です。酪酸や酢酸は腸内を弱酸性に保ち、悪玉菌の増殖を抑えます。そして酪酸は大腸が正常に働くための主要なエネルギー源になります。大腸を活発にするには酪酸を作りだす酪酸菌が不可欠で酪酸を作りだせるのは酪酸菌だけです。

● 免疫力と酪酸

 病原菌やウイルスから体を守る免疫細胞の70%は腸に集まっています。腸内環境を整えると免疫力を上げることにつながります。

 最近の研究で、酪酸が腸内フローラを健康に保つために重要な役割をしていることがわかりました。酪酸が腸内環境を整えることで、ビフィズス菌や乳酸菌が活発に活動できるのもその一つです。

● 健康長寿と酪酸菌

 長寿で有名な京丹後市。京丹後長寿コホート研究で、京丹後市と京都市に住む65歳以上の高齢者の腸内フローラを調べたところ、長寿地域に住む京丹後市の高齢者は酪酸菌の割合が高いことが判明。その要因として京丹後市の高齢者は若い頃から魚中心で黒豆、麦飯、海藻などの食物繊維の摂取量が多く、それが腸内細菌と長寿の関係に表れているとしています。

● 酪酸菌を育てる食物繊維

 酪酸菌を含む食品はぬか漬け、臭豆腐など極わずか。そのため酪酸菌を増やすには腸内細菌のエサとなる食物繊維を積極的に取り腸内で酪酸菌を育てる必要があります。

 食物繊維には水溶性と不溶性があり、腸内細菌のエサになりやすいのは水溶性食物繊維。もち麦やオーツ麦にはβグルカン、海藻類にはアルギン酸やフコイダン、果物にはペクチンなどの水溶性食物繊維が多く含まれす。

 日本人の食物繊維の摂取量は、目標量より3〜6g/日も不足しています。食物繊維を毎日継続的にしっかり取るには、もち麦入ご飯とか、ダイエットで話題のオートミールなどのように、“主食を変える”のがお薦めです。一日2食で5〜6gも補え、もち麦には、皮つきもあり、外皮が残っているため、プチプチ感も味わえます。

この記事をシェアする

Facebook
Twitter