内臓脂肪の蓄積 ―食事の“質”と“時間”に着目―

内臓脂肪の蓄積 ―食事の“質”と“時間”に着目―

健康食
正しい知識で食べて元気に 健康食
管理栄養士 菊池洋子さん

 特定健診と言えば、“内臓脂肪の蓄積”を把握する腹囲の計測。内臓脂肪の蓄積は、高血圧・高血糖値・脂質異常症を引き起こし、心疾患や脳血管疾患などの原因になります。そのため、症状のない早い時期から、生活習慣の見直しが必要とされています。今回は岩手県と花王株式会社のGENKIプロジェクトが普及活動を行っている「スマート和食」を紹介します。

● スマート和食とは

「スマート和食」は食事の“時間”と“質”に注目した食事方法です。減量と言えば、カロリー制限(食事量を減らす)というイメージが強いですが、2万人以上の人の内臓脂肪蓄積量と食生活を調査した結果、「しっかり食べているのに、内臓脂肪が少ない人がいる」ことが分かりました。

● 内臓脂肪の少ない人は食事の“質”に特徴

 内臓脂肪が少ない人の食事の質に3つの特徴がありました。①脂質が少なく、タンパク質が多い。②糖質と一緒に食物繊維を取っている。③脂質中のオメガ3の比率が高い。この3つが代謝を良くし、継続することで「内臓脂肪の減少」につながると分かりました。

● 内臓脂肪に効果的な食べ物

 内臓脂肪が少ない人がよく食べていた物は、豆類(大豆および他の豆類)、野菜、魚介類、果実、海藻、お茶。一方、肉、油脂、ジュース類、菓子類は控えめでした。健康に良いとされる日本型食生活によく似た内容となっていました。

● 摂取エネルギーの減少、生活リズムの乱れ

 日本人の摂取エネルギーは、1971年をピークに減少(約300‌kcal)に転じています。しかし、肥満や糖尿病などの生活習慣病は増加しています。その要因の一つに食事の“時間”と“質”の乱れにより、食べたエネルギーが消費されにくくなることをあげています。朝食抜きや遅い夕食などの生活リズムの乱れ、肉や油脂が多い食事は代謝を低下させ、エネルギー消費の減少につながるとしています。

● 「くらし方3カ条」・「食事5カ条」

 食事の“時間”と“質”を工夫することで、エネルギー消費を増やし、内臓脂肪をためにくいスマート和食。これを「くらし方3カ条」、「食事5カ条」として提言しています。取り組む際のポイントを簡単にまとめてみました。

くらし方3カ条

  • 体内リズムをリセットするため、朝食は8時頃までにしっかり食べる。夕食も8時までを目指し、夕食が遅くなる時は、夕方に補食(オニギリなど)を食べ、夕食は、副食のみにする。

食事5カ条

  • 主食はご飯を中心とし、主菜を1皿、副菜をたっぷり取る(2皿)。

  •  ご飯には、もち麦などの雑穀を入れて食物繊維をしっかり取る。

  •  主菜は魚介類、納豆、豆腐などの摂取回数を増やし、肉は脂の少ない部位を選ぶ。

● 内臓脂肪は皮下脂肪より減らしやすい

 内臓脂肪は、エネルギー不足が起こった時に素早くエネルギーに変換されます。食事の時間、食事内容(質)を見直し、内臓脂肪の蓄積を減らしましょう。

この記事をシェアする

Facebook
Twitter