「抗酸化物質」で認知症予防 ―カロテノイド豊富な野菜・果物が脳を守る―

「抗酸化物質」で認知症予防 ―カロテノイド豊富な野菜・果物が脳を守る―

健康食
正しい知識で食べて元気に 健康食
管理栄養士 菊池洋子さん

 団塊世代が75歳以上になる2025年には、認知症患者が700万人(65歳以上の高齢者5人に1人)前後に達するとされています。そんななか、「野菜・果物に含まれるカロテノイド」を多く摂取している高齢者ほど、アルツハイマー病のリスクが大幅に低いことが明らかにされました。

● カロテノイド豊富な食事が脳も守る

 アルツハイマー病を発症した患者は、発症していない人に比べ、脳内の「ルテイン」、「ゼアキサンチン」、「リコピン」、「ビタミンE」など野菜に含まれる抗酸化物質が半分しかないことが米国のバージニア工科大学医学部の大規模調査で分かりました。またルテインとゼアキサンチンを多く摂取している高齢者ほど、認知機能が向上し、認知症やアルツハイマー病のリスクが低下する傾向があることが示されました。

● ルテイン・リコピン・ゼアキサンチン

 ルテインやゼアキサンチン、リコピンは野菜の色素成分で、カロテノイドの仲間です。抗酸化作用があり、ルテインは普段よく口にする、ほうれん草、ブロッコリー、モロヘイヤ、小松菜などの緑黄色野菜、アボカドやプルーンに、ゼアキサンチンはトウモロコシ、ほうれん草、パプリカなどに含まれます。カロテノイド類は脂溶性のため、油と一緒にとることで吸収率がアップします。

 トマトの赤色、リコピンはカロテノイドの中でも特に強い抗酸化力があります。βカロテンの2倍、ビタミンEの100倍といわれています。そのリコピン、今が旬の柿にも含まれています。なお、トマトジュースは電子レンジで加熱し、オリーブ油を少し入れ、朝に飲むのが最も吸収率が高く、効果的とされています。

● マインド(MIND)食

 研究はシカゴ在住の千人以上の参加者の食事と認知能力の関連を10年以上追跡調査し、カロテノイドの摂取量を評価しています。その結果、野菜、魚、大豆・ナッツ類などを十分に取り、赤身肉や高カロリーのジャンクフードなどの摂取量が少ない人は、アルツハイマー病の診断リスクが低下し、認知能力が向上、アルツハイマー病に関連する脳の病変が少ないことが分かったとしています。

 さらに10年間でカロテノイド、またはルテイン、ゼアキサンチンの摂取量が最も多かったグループは、アルツハイマー病の発症リスクが50%低かったとのこと。

 特に健康食として有名な「地中海食」と、高血圧予防の「ダッシュ食」を掛け合わせた「マインド(MIND)食」を実践している人は抗酸化物質が豊富に含まれる野菜や果物をより多く摂取しており、ルテインやゼアキサンチンの摂取量が多いことも分かったとしています。  ルテイン・ゼアキサンチンは、眼科や新聞などの広告で知っているという人も多いかと思います。その成分が健康な脳の助けにもなることが示唆されました。カロテノイドを豊富に含む野菜・果物を積極的に食べ、運動を習慣化し脳の健康を守りましょう。 

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