増加している脂肪肝 ―背景に、飲みすぎ、食べすぎ、運動不足―

増加している脂肪肝 ―背景に、飲みすぎ、食べすぎ、運動不足―

健康食
正しい知識で食べて元気に 健康食
管理栄養士 菊池洋子さん

 肝臓に脂肪がたまった状態の「脂肪肝」。飲みすぎ、食べすぎ、運動不足などの生活習慣を背景に、年々増加しています。脂肪肝になると動脈硬化や心筋梗塞、脳卒中などのリスクも高まります。今回は生活習慣と深い関係にある脂肪肝を取り上げたいと思います。

● 非アルコール性脂肪肝が増えている

 脂肪肝には、お酒の飲みすぎによるアルコール性脂肪肝と食べすぎ、運動不足、急激なダイエット(※1)などが原因の非アルコール性脂肪肝(※2)があります。近年、増加しているのは、この非アルコール性脂肪肝です。

 非アルコール性脂肪肝には、肝細胞に脂肪が沈着するのみの単純性脂肪肝と、肝炎や繊維化が進行する非アルコール性脂肪肝炎(NASH)の2種類があります。NASHは肝硬変や肝がんを起こす可能性もあるとされており、生活習慣の見直し、早期発見が大切です。

● 生活習慣の改善

 非アルコール性脂肪肝の原因の多くは「食べすぎ」、「運動不足」などの生活習慣による肥満です。食生活の改善と運動療法で7%減量できれば、NASHが改善するというエビデンスもあります。医師、管理栄養士と相談し、自分の減量目標を決め継続的に取り組むことが大切です。その際の基本的な事項を簡単に示したいと思います。

① 朝食を抜かない
 食事の回数が少ないほど、過食してしまうだけでなく、太りやすい体質になります。朝食をしっかり食べ、体内リズムを整えましょう。

② 主食、主菜、副菜をそろえた食事
 1日2食は、主食、主菜1皿(魚、肉、卵、大豆製品)、副菜2皿(野菜、キノコ、海藻類)をそろえ、主菜や副菜から食べ始めましょう。

③ 白米を玄米(うるち米、もち米)に変えてみる
 玄米に含まれるγオリザノールには、食欲を抑制する働きや血糖コントロール作用があります。また白米より、食物繊維、ビタミン、ミネラルを多く含みます。

④ 塩分の取り過ぎに注意
 塩分の摂取量と肥満は正比例します。薄味に慣れるようにしましょう。

⑤ 異性化糖、砂糖や果物の取り過ぎに注意
 清涼飲料、調味料などに使用されている果糖・ブドウ糖などの異性化糖は、食欲をかきたて、満腹感を感じさせにくくします。砂糖、果物、穀類も取り過ぎると、糖質は脂肪に形を変えて肝細胞の中に蓄えられます。

⑥ 運動習慣をつけましょう
 筋肉を鍛えると、マイオカインというホルモンが筋肉から分泌されます(30種以上発見されている)。このマイオカインには、肝臓に蓄積された脂肪の燃焼を促し、脂肪肝を改善する作用があることが分かりました。また、脳細胞の活性化、大腸がん抑制作用などもあることが分かっています。ウオーキングやスクワットなどで筋肉量を増やしましょう。

※1 急激なダイエットはタンパク質不足を招き、肝臓に脂肪がたまりやすくなる。

※2 エタノール換算で、男性で1日30g以下、女性は20g以下の飲酒の人の脂肪肝も含まれる(缶ビール350‌ml缶×2本で28g、‌500‌ml缶×1本で20gのエタノールに相当)。 

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