感謝を伝える特別な日

感謝を伝える特別な日

インタビュー
花巻温泉株式会社ブライダル事業部 部長 阿部 英子さん
花巻温泉株式会社ブライダル事業部 部長
阿部 英子さん
(57)

● 時代と共に変化する結婚式のカタチ

 今年11月に創業95周年を迎える花巻温泉。4つの温泉宿とバラ園は、訪れる多くの人を癒してきました。そんな花巻温泉のブライダル事業も好評で、これまでに八千組以上のご縁を結んできました。

「シニア世代の結婚式は仲人さんがいて友人、親戚、職場の方など150人規模が一般的でした」と話すのは、ブライダル事業部部長の阿部英子さん。花巻温泉のブライダル部門を立ち上げたメンバーの一人です。高校卒業後、花巻温泉に就職した阿部さんが配属されたのはホテルの売店部門。いろんな地域のお客さんとの会話を楽しみながら日々を過ごす阿部さんがブライダルの仕事に関わるきっかけとなったのは友人の結婚式だったと言います。「新婦の手紙を代読して周囲が感動しているのを見て、結婚式の魅力を知りました。当時、結婚式の司会者は男性がメインでしたが、女性がやってもいいのではと思い上司に結婚式の司会をさせてほしいと志願しました」と振り返ります。しかし教えてくれる人がいなくて、休み時間に挙式を裏から見学し、司会のやり方や全体の流れなど熱心に勉強したそう。その熱意が買われ司会を任されるようになり年間80組を担当するほどに。その姿に「ブライダルをやってみないか」と声がかかり28歳でウエディングプランナーとして歩み始めます。「ちょうど私が異動した年をピークに成約件数は下降していきました」。時代の変化でホテルウエディングの件数は減少、さらにコロナ禍で披露宴の数も規模も縮小していきました。

● 花巻温泉が選ばれる理由

 ブライダル業界の苦戦が続く中、花巻温泉ではいち早く「フォトウエディング」にシフト。「桜、バラ、紅葉、神社など花巻温泉の財産をフル活用したロケーション撮影は他ではできません」と阿部さん。撮影後はホテルに宿泊し、家族水入らずの時間が持てるのも大きな魅力で、人生で幸せな瞬間を最高のロケーションで残し、家族の絆を深めたいと予約が殺到。成約件数を伸ばすことに成功しました。「私は考えるより動きたいタイプなので、閃いたらすぐ上司に相談していろいろと挑戦させてもらいました」。その閃きの一つが商標登録された花巻温泉独自の「ステイ・ウエディング」。家族の絆を深めながらゆったりと挙式・披露宴を行える宿泊型のウエディングスタイルです。「新郎新婦が家族との特別な時間を過ごしたり、ゲストの方が連泊して観光を楽しんだり結婚式プラスαの楽しみが広がります」と阿部さん。アクセスも良く遠方からのゲストも安心してお迎えすることができるので人気だと言います。

 家族や仲間の大切さを再認識できるのも結婚式の良さの一つだと話す阿部さんは「記念すべき日を“ありがとう”を伝える特別な時間に」と、お世話になった人たちに新郎新婦が感謝を届ける挙式スタイルを提案。「披露宴がなくてもフォトウエディング撮影の合間にご両親にサプライズで花束贈呈をしたり、結婚式に出席できなかったお父さまの病室にドレスとタキシード姿の新郎新婦を連れて行ったり」と笑顔の阿部さん。願いを叶えてあげたい、その思いが「特別な感動」を生み出しています。

 三世代で花巻温泉で挙式をされたご家族も多く、お食い初め、還暦祝いなど人生の節目に訪れ、絆を深める場となっています。長い歴史を刻みながら、花巻温泉は巡り続くご縁を大切に紡ぎ続けています。

雫石にオープンした菊の司新工場
雫石にオープンした菊の司新工場

プロフィール

1965年生まれ、盛岡市出身。小学生の時に花巻市に転居し、岩手県立花巻南高等学校卒業後、花巻温泉株式会社入社。売店、司会、ブライダル、フロント業務を経て2019年からブライダル事業部部長。休日はお気に入りの隠れ家的なカフェで自由な時間を楽しむ

この記事をシェアする

Facebook
Twitter