最近、盛岡市内の岩手銀行赤レンガ館、盛岡信用金庫本店など明治や昭和初期のレトロな建物をめぐるシニアや若い世代、観光客が増えています。ニューヨーク・タイムズ紙に盛岡が掲載された効果もあるのかもしれません。そんな中、「建築家・葛西萬司 辰野金吾とともに東京駅をつくった男」(日本地域社会研究所)が発刊されました。シニアズで連載中の佐藤竜一さん(65)の新刊で、16冊目の著作になります。タイトルには、東京駅とありますが、本文には、最初の2つの建物を手がけた盛岡出身の葛西や横浜勉ら郷土の建築家の人物像や代表的な建築物などに多くのページを割いています。
特に葛西に関しては、東京駅、岩手銀行赤レンガ館などの設計で著名な恩師、辰野との出会いや補佐役として設計に尽力したことなどを紹介、シニアには懐かしい松屋デパートや盛岡大通映画劇場などにも触れています。
元盛岡信金理事長の矢吹悦延さん(84)は「これまであまり目立たなかった葛西について書いてくれて、ありがたい。思いをはせてもらえれば。私は、当本店で仕事をしました。地震にも強くがっちりした建物。葛西の設計力に驚きます」と話していました。本を読んでから、建物散策したくなりますね。