〝新渡戸の夢〟春に上映

〝新渡戸の夢〟春に上映

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盛岡生活文化研究室 大森ふじおさん

 岩手を代表する国際人、新渡戸稲造の教育への思いにスポットライトを当てたドキュメンタリー映画「新渡戸の夢~学ぶことは生きる証~」(野澤和之監督)が完成し、2025年春に県内で上映会が行われる予定です。130年前、札幌農学校(現 北海道大学)教授だった新渡戸は当時32歳。経済的理由で学校に通えない人のためにメリー夫人と共に、札幌に小さな「遠友夜学校」を創設。授業料は無料、しかも男女共学で年齢も制限なしという極めて先進的な学校でした。そこでは、富や名声よりも新渡戸が掲げた人格形成を重視した教育が行われました。学校は、1944(昭和19)年の閉校まで50年間運営され、卒業生は1170人ほどに達しています。その学校に込めた新渡戸の思いは、今もさまざまな形で受け継がれています。映画では、卒業生の子どもたちが親から聞かされた学校や新渡戸の思い出を拾いあげながら、北大ボランティアサークルとしての市民講座「平成遠友夜学校」、「札幌遠友塾自主夜間中学」の関係者へのインタビューなども交え、130年の時を経ても新渡戸の思いが脈々と受け継がれていることを伝えています。映画にも登場する新渡戸基金の藤井理事長は「真の教育とは何かも問いかけています。ぜひ多くの県民の皆さまに観てもらいたい」と話しています。岩手に夜間中学を作る会もでき、2025年は、盛岡市とビクトリア市の姉妹提携40周年。新渡戸の夢はまだまだ続きそうです。 

新渡戸の夢のチラシ
新渡戸の夢のチラシ

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