日本では5年おきに約30年後の科学技術がどうなっているのかを予測する、デルファイ調査(専門家へのアンケート調査)を実施しています。私もその調査員でした。昨年は836件の質問があり、約400件ほど回答しました。その調査結果が①のサイトで公開されています。
①第12回科学技術予測調査 科学技術等の中長期的な将来予測に関するアンケート調査(デルファイ調査) https://nistep.repo.nii.ac.jp/records/2000213
面白いのは質問内容です。30年も未来のことなので「動物が会話できるのはいつ?」などマンガのような質問もあり、読むだけでもけっこう楽しいものです。その歴代の質問内容にどんな項目があるのかをご紹介しましょう。②のページでは1971年からのデルファイ調査質問が閲覧できます。ただ、科学技術は用語がわからないと難しく、今回は漢字一文字で質問する方法を紹介します。
②デルファイ調査質問項目のキーワード検索
https://www.nistep.go.jp/research/scisip/delphisearch/start/year/
生活分野には衣食住という言葉があります。まずは「食」の漢字一文字で②で検索してみてください。全292件表示され、開始時1971年から2025年まで50年間、ずっと食の質問が続いていることがわかります。主に食の安全に関する内容です。
生活なら健康の「健」の文字も試してみましょう。これも50年前からずっと質問が続いており全163件あります。さらに教育の「学」、災害の「災」など一文字の漢字で表示される歴代の質問を眺めてみると、日本ではどんな分野の科学技術に関心があったかが分かります。
次に経済活動です。ヒトモノカネという言葉があります。「人」「物」の字を入力してみると、人では全1425件、物1767件表示されました。なお「金」は金属材料に関する結果が表示されるので、「決済」の2文字で検索をするとよいと思います。
さらに仏教では生老病死という言葉があります。科学技術とは無関係のように思われますが、②で検索してみると、生は全1981件、老は全68件、病は全347件、死は全28件、表示されました。こうした分野で科学技術がどんな関心が持たれていたか、眺めてみると面白いです。
さて日本ではラジオやテレビなどカタカナ標記の科学技術用語が多いです。スマホやAIもすでに日本語として使われ、漢字かな交じりどころか英文アルファベットまで使う時代になりました。とはいえ漢字の科学技術用語も多く、例えば超電導、遺伝子組換、仮想現実、地球温暖化などの言葉がいまだ広く使われています。漢字は古代からずっと続いてきた文化があり、文字ひとつひとつがもつ意味のイメージで連想ができます。たとえば「仮想現実」も、漢字の並びからなんとなく想像がつきます。こうした漢字のもつ特徴をいかし、まずは一文字だけで科学技術をもっとカンジてみてはいかがでしょうか。








