取材協力:羅針盤
盛岡市中ノ橋通で45年間喫茶店を営んできた「六分儀」が静かに店を閉じたのは2017年11月。それからしばらく、閉店を知らずに店を訪れて残念そうに肩を落として帰った人もいることでしょう。
その場所に2018年6月、以前の佇まいと変わらぬ姿でオープンしたのが「羅針盤」です。渋い鉄の重みのあるドアを開けて店へ入ると、ほの暗い店内に漂う空気感や世界観は以前あった六分儀と変わらぬ趣。 現在この店を構えるオーナーは、東京で「蕪木(かぶき)」というコーヒーとチョコレートの店を営む蕪木祐介さん。
盛岡で過ごした大学時代に通った六分儀の心地良さは、今の蕪木さんの喫茶店への興味の源でもあったそうで、壁にうっすらと付いたたばこの煙でできた染みなど経年による古い質感はそのままに、あえて手を加えず生かしているところにも、蕪木さんの思いがあふれています。
おしゃべりを楽しむというより、コーヒーやチョコレートの味を楽しみながら1人の時間を過ごしたいときに…というのが羅針盤。「お客様から、 以前の店の雰囲気と変わらないねって言われるのが好きです」とスタッフの関さやかさん。「来ていただいた方には、ここでの時間を静かにゆっくりと過ごしていただきたくて」と穏やかな笑顔でもてなしてくれます。
「人生を指し示す方角がみえてくれば…」そんな思いが詰まった場所で一息ついてみませんか。
羅針盤
盛岡市中ノ橋通一丁目4-15
019-681-8561
※工事のため現在は休業中。プレオープンは来年1月の予定。営業日詳細はお電話を。