昔ながらの番屋で一息【紺屋町番屋カフェ】

昔ながらの番屋で一息【紺屋町番屋カフェ】

紺屋町 番屋カフェ

取材協力:紺屋町 番屋カフェ

 消防組第四部(よ組)の事務所として大正2年に改築された紺屋町番屋。長い歴史を誇る番屋が昨年3月、新しい交流体験施設に生まれ変わりました。

 運営するのは「合同会社ほっぷステップ」。代表の岩渕公二さんが、盛岡市主催の見学会に参加したことがきっかけでした。「盛岡の歴史を今に残す建物が身近にあったんだと感じました。地域の皆さんにとって番屋はまちのシンボル。ずっと残してほしいという声を耳にし、微力ながら力になれたらと思いました」。

 和洋折衷の木造の建物を見て、歴史の深さを感じながら心地良く過ごせないかと番屋カフェの構想を思いついた岩渕さん。「7年ほど機織り工房を運営しており、染物の町が名前の由来となっている紺屋町とは親和性があると感じました。地域の方々をはじめ、多くの市民や観光客の皆さんに寛いでいただければ」と市のプロポーザルに応募したところ、提案が見事採用され、番屋の歴史が感じられるカフェ作りが始まります。「市の景観重要建造物なので、内装も建築当時や改修前の風情を大事にしたいと考えました。石畳の間の天井は改修前の2階の床板を再利用していますし、腰板(室内壁の下部に張る木製の板)は100年前のもの。工事をお願いした業者さんも工夫してくださり、期待通りの仕上がりになりました」と建てられた大正時代の趣きを守りながら、ゆったりできる空間が実現。店内には2階の工房で織った製品も展示し、当時の名残を感じながら、繊細で鮮やかな織物も楽しめるカフェとして再出発しました。

 おすすめは雫石町のコーヒー焙煎風光舎にお願いしてブレンドした番屋オリジナルのコーヒー。さっぱりとした「mori」と豆のコクが楽しめる「oka」の2種類があり、一杯ごとに豆を挽き、ハンドドリップで淹れてくれます。「店の雰囲気とともに、豆を量る音や挽きたての香りまで、まるごと味わっていただけたら」と岩渕さん。リニューアルした紺屋町番屋で、いつもと違う時間を過ごしてみませんか。

紺屋町 番屋カフェ
ほっぷステップ代表の岩渕さんとスタッフの皆さん。
笑顔で迎えてくれます
紺屋町 番屋カフェ
定番メニューのチーズケーキとコーヒーのセット。
セットに添えられるゆきちからのクッキーは素朴な味わい
お店について

紺屋町 番屋カフェ

盛岡市紺屋町4-34

019-625-6002

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