思いをつなぐ老舗紅茶店【ティーハウス リーベ】

思いをつなぐ老舗紅茶店【ティーハウス リーベ】

ティーハウス リーベ

取材協力:ティーハウス リーベ

 盛岡市、桜山界隈に店を構える「ティーハウスリーベ」。レトロな雰囲気が残る純喫茶の名店です。

 店主の児山千代子さんは福島県出身。アルバイト先の喫茶店でご主人の信一さんと出会い、結婚を機に東京から盛岡に。3年前に信一さんが他界し、現在は息子の亮一さんと店を切り盛りしています。「オープン当初は従業員数人と主人が一緒に働いていました」当時は喫茶店ブーム全盛期、信一さんには自分だけの店を持ちたいという思いがあったのではないかと話します。「リーベが開店して2年後、近くの物件が空くと知り、主人はすぐに話をしに行きました」と信一さんは夢を叶えるため、第一歩を踏み出します。「コーヒーの店はいっぱいあったので紅茶を出すことにしました。大阪の紅茶店に何度も相談したり、県外に道具を買いに行ったりしましたね」と千代子さん。独学で学ぶうちに紅茶の奥深さを知った信一さんはゆったりと紅茶を楽しんで欲しいと高級感のあるティーカップを求め仙台、東京まで行ったことも。「新幹線がない頃で、娘をおんぶしながら二人で両手に食器を抱えて帰ってきました」と懐かしみます。そんなこだわりを詰め込んだ「大通茶房」は昭和48年より盛岡初の紅茶店として親しまれてきました。そして開店から約10年後、物件返却のため最初にオープンした「ティーハウス リーベ」をメインの店として新たに歩み始めます。移転しても紅茶の味わいは変わらず、懐かしい思い出の味を求め、ずっと来ている人もいるとか。「帰省した時に寄ってくれる方もいて、店の存在を覚えていてくれて嬉しい」と千代子さん。お客さんとの温かい思い出の場所となっています。

 人気の「ティーパンチ」はグラスにフルーツが飾られた華やかなアイスティー。亮一さんが季節のフルーツで豪華にアレンジしたアイスティーは、SNSで話題となり人気に火がつきました。ほかの信一さん考案メニューもフルーツで彩られ、繊細できれいと評判です。

 時代と共に変化してきたティーハウス リーベ。信一さんの紅茶を楽しんでほしいという思いは受け継がれ、今も残り続けています。

ティーハウス リーベ 児山千代子さん
店主の児山千代子さん。レトロな店内も味わい深い
ティーハウス リーベ
フルーツ細工のメニューは混雑時などお受けできないこともあります
お店について

ティーハウス リーベ

盛岡市内丸5-3

019-651-1627

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