【館山(たてやま)329m】新春の館山ヒストリー

【館山(たてやま)329m】新春の館山ヒストリー

ほくほくトレッキング
阿部陽子のほくほくトレッキング
(公社)日本山岳会岩手支部 支部長 阿部陽子さん

 館山という名の山は、県内各地に散見し、おおむね武士の「居館」や「山城」があったことに由来する。奥州市江刺区梁川と北上市口内町の境にある館山は、米どころ梁川地区に座す歴史の山である。別称「烏帽子山」だ。伊達藩配下にあった小梁川(こやながわ)館(野手崎所)が築かれ、藩政時代から明治初期にかけて、南部藩の動きを見張る砦的要素を担っていたと言われる。

「地元では、尊称の「お」をつけて、『おたてやま』と言います。ちなみに北入口の最上段のお宅が、『伊達家』ですよ」と、古老から教わった。見上げると、枡形の土台を段ちがいに重ねることで直進を阻む「折れ」の構造がきれいに延びている。その名も「武者隠(むしゃがく)れ」。桝形の角々で狙い撃ちされるため、敵は、やすやすと本丸に近づけない。石垣を築かずして桝を積む。あっぱれ武者隠し。

 国道107号から県道179号の舘下・野手崎に入り、金性寺(きんしょうじ)の大看板がある夫婦杉と護法塔の広場に駐車する。少し下って浅沼モータースを左折し、「史跡 小梁川廟所(びょうしょ)入口(是より三百米)」の杭から氷上神社「清観音」への南小路を登る。

 さて、本格的な山登りは神社の上部にある。神社左手の石碑の尾根にとりつき、ヤブ斜面をよじ登って行く。見晴しがない山頂なので、三角点にタッチしてすぐ往路を引き返す。だが、交差する小さな尾根に惑わされるので、登りで赤テープを付け、下りで回収すれば良い。

 小梁川廟所へ立ち寄ろう。小梁川氏の繁栄を物語る墓碑群に圧倒される。その先、塩竈神社と烏帽子岩を回りこんで城址に下り、本丸跡・御倉・厩舎(きゅうしゃ)・高屋敷跡から大手門や南門を経由して、中小路や大手小路へとつなぐ。  登り下りを馬蹄状に結び、新春の「館山ヒストリー」をしみじみと踏みしめたい。

総合運動場から館山を望む
総合運動場から館山を望む。まるでお姫様のような品格ある山容だ。新春のウオーキングにいかがだろう

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