ベトナムでAIを紹介

ベトナムでAIを紹介

科学技術が面白い

一関工業高等専門学校特命教授 佐藤清忠さん

私は2024年3月までIT連携コーディネーターとして盛岡広域振興局産業振興室に在籍しており、シニアズで身近なIT技術を紹介していました。退職した今でも変わらずに科学技術を追いかけて過ごしています。今回から、日々進化してゆく科学技術の話題をご紹介したいと思います。

 私は現在ジャイカ(国際協力機構)の事業に参加をしており、5月には学校教育改革の支援をするためベトナムの大学を訪問しました。ベトナムのホーチミン市工業大学(IUH)には自動車学部があり、新たに開設されるEV学科向けに世界で活躍できる技術者教育の支援が始まっています。私の業務は大学の教育目標や東南アジア諸国連合の認証基準に合わせた、新しい授業を提案することです。IUHの先生方を前にして、作業を標準化する方法や、演習授業の考え方、運用のしかたを紹介しました。

 講義自体は日本語で行いベトナム語に翻訳をします。専門用語は英語ですし、板書を英文で書かねばならないのが大変です。そんな時に役に立ったのが、グーグル社が運用する資料分析のための生成AI「NotebookLM」でした。ベトナム語、英語、日本語が入り混じる資料をこのAIに読み込ませると、初めての人にも分かりやすく音声で要約をしてくれます。ぜひ①の音声を聞いてみてください。まるでニュースでアナウンサー同士が会話をするように、自然な対話形式で資料の要点がまとめられているのが分かるでしょう。「一関」を「いちかん」と読み上げてしまうのはご愛嬌です。

 私は講義の準備をする段階からこのAIを活用し、提案する授業の特徴や問題点を調べていました。現地の先生方にも好評で、大学の論文サイトに掲載された資料をAIで調査し音声で要約する方法や、使用する際のセキュリティなどを紹介するNotebookLM講習会も行いました。IUHの先生方はChatGPTなどの生成AIを日常的に利用しています。この背景もあり、今回の訪問で最も関心が高かったセミナーでした。先生方が新しいツールに目を輝かせていたことが印象的でした。

NotebookLM講習会の様子

①音声での要約はこちら

②NotebookLMはこちら

GoogleおよびNotebookLMはGoogle LLCの商標です。

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