【命に関わる身近な病気】3.ワクチンで肺炎を予防

【命に関わる身近な病気】3.ワクチンで肺炎を予防

いわて医療通信
岩手医科大学 いわて医療通信

 健やかな毎日を過ごすためには、病気にかかりにくい体づくりとともに、事前の予防策が欠かせません。肺炎の予防には、ワクチン接種がとても有効で、発症する可能性を減らします。特に高齢の方や免疫力が低下している方にとっては、重症化を防ぐ大事な方法です。

 代表的なワクチンとしては、肺炎球菌ワクチンやインフルエンザワクチンがあります。

 肺炎球菌は、肺炎の原因菌として最も多く、90種類以上の型が存在します。これに対するワクチンには、以下のものがあります。

・ニューモバックスNP®   (PPSV23‌:‌23価肺炎  球菌多糖体ワクチン)

・プレベナー20®  (PCV20‌: 20価結合型  肺炎球菌ワクチン)

・バクニュバンス®  (PCV15‌: 15価結合型  肺炎球菌ワクチン)

・キャップバックス®  (PCV21‌: 21価結合型  肺炎球菌ワクチン)

 ニューモバックスNP®は65歳の定期接種に用いられます。効果は約5年続くといわれ、その後新たに追加の接種が推奨されます。約34%の発症予防効果があるとされます(成人肺炎診療ガイドライン2024、日本呼吸器学会)。他の結合型肺炎球菌ワクチンは任意接種となります。特にPCV20はより長く効くことが期待できます。

 インフルエンザワクチンも肺炎予防に役立ちます。インフルエンザウイルスに感染すると免疫力が低下し、肺炎球菌やインフルエンザ菌などの細菌による二次感染が起こりやすくなります。その結果、肺炎を併発することがあります。

 国内の研究では、65歳以上の高齢者福祉施設入所者において、インフルエンザの発症を34~55%阻止し、インフルエンザによる死亡を82%阻止する効果があったとされています。

 インフルエンザは例年12月~4月頃に流行し、例年1月末~3月上旬に流行のピークを迎えますので、12月中旬までにワクチン接種を終えることが望ましいと考えられます。

 ワクチン接種による副作用には、接種部位の腫れや痛み、発熱、頭痛、倦怠感などの軽度なものから、まれにアナフィラキシーショックなどの重篤なアレルギー反応が起こることもあります。接種は体調の良い日に行い、接種後は30分ほど安静にして様子を見ることが大切です。

 ご自身に最適なワクチンの種類や接種時期については、主治医や最寄りの医療機関へお気軽にご相談ください。適切な予防接種で、合併症や重症化のリスクを未然に防ぎましょう。

岩手医科大学
内科学講座呼吸器内科分野

川田一郎

■取材協力

岩手医科大学 >>

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