盛岡市青山の住宅街の真ん中に、可愛らしい木造の建物が。外観からも木の温もりが伝わるこのお店は、家庭的なランチが楽しめるカフェ「ユリノキ舎」です。

　店主の山崎博子さんは三重県出身。長年農業関連の研究職に就いていたという意外な経歴の持ち主です。

　三重県の研究施設から盛岡市に異動となった山崎さん。にんにくの貯蔵方法など、野菜に関する研究を続けていましたが、退職を機に盛岡市に家を建て、腰を落ち着けることに。家を建てるにあたって、お菓子作りが趣味で以前から食に関する仕事をしたいと考えていた山崎さんは、自宅に店舗を併設しユリノキ舎をオープンしました。

　お店には木がふんだんに使われており、明るい色合いの落ち着いた雰囲気。特にいすとテーブルは、他店で出会った手触りの良い純木家具が気に入っていたこともあって、同じブランドの国産無垢材を使った家具をオーダーメイド。「お店を作る際に、一番費用がかかったのがこの家具です」と笑う山崎さん。居心地のいい空間で、くつろいで過ごしてもらいたいと話します。

　そんな落ち着く店内で提供されるのは、手作りの家庭的な料理。野菜がたっぷりと好評のユリノキランチは、主菜と副菜にサラダなどが付いたバランスの良い定食です。週替わりで２〜３カ月は違うメニューが提供され、手作りごま豆腐やきゅうりと卵の炒め物など意外な料理にも出会えるので、毎週食べに来るお客さまもいるとか。

　常連さんも増え、お店は楽しくやれていると山崎さん。「研究職の時は、自分の仕事に対するユーザーの声が分かりにくかった。今はお客さまに直接おいしかったと言ってもらえるのが嬉しく、性に合っていると感じます。お客さまに行って良かったと思ってもらえるお店にしていきたい」と話します。今週はどんなランチか食べに行ってみてはいかが。