“緑のカーテン”として、すっかりおなじみとなったゴーヤ。別名、苦瓜とも言うように、独特な苦みがあるため、苦手に感じる人がいる一方、その苦みがヤミツキになる人もいます。
今回は蒸し熱い夏を迎え、栄養豊富とされるゴーヤの魅力を取り上げたいと思います。
● 苦みの正体モモルデシン
あのゴーヤの苦み成分は「モモルデシン」です。モモルデシンは、サポニンとアミノ酸から構成される成分です。モモルデシンには、抗酸化作用や胃液の分泌促進、胃腸を刺激して食欲を促す作用もあります。“夏バテ防止にゴーヤ”と言われる理由の一つです。また、肝機能を高める作用、血糖値を下げる効果なども報告されています。
● 熱に強いビタミンC
ゴーヤはビタミンCの多い野菜の一つで、100g中76mgのビタミンCを含有しています(ビタミンCの1日の推奨摂取量は100mg)。ビタミンCが多いことで知られるキウイフルーツと同じくらいの量です。
ゴーヤのビタミンCは加熱に強いのが特徴で、ゴーヤチャンプルのように炒めてもビタミンCの損失は少ないです。しかし、苦みをとるため、切って水にさらす時間が長いとビタミンCは流失します。
ビタミンCはコラーゲンの合成に必要な栄養素であり、抗酸化作用が高く、ストレスや風邪など病気に対する抵抗力を強める働きをします。
● カリウムが多い
ゴーヤはカリウムも多く含む(100g中260mg)野菜です。カリウムは水溶性のため、切って水にさらすと流失します。カリウムは体内の浸透圧の調整、筋肉の収縮など生命維持に重要な役割をしています。また、ナトリウムの排泄を促し血圧をコントロールする作用もあるため、高血圧などの生活習慣病予防のために十分に取りたいミネラルです(摂取目標量:男性3000mg以上、女性2600mg以上)。調理する際は、塩分を抑えて、ゴーヤの苦みを生かしたゴーヤチャンプルなどにすると、塩分とカリウムのバランスが考慮された1品になります。
● 新鮮なゴーヤの選び方
小ぶりで、ずっしりと重くイボが密集し、鮮やかな緑色で光沢のあるものが新鮮でおいしいと思います。保存の際は新聞紙に包み、ポリ袋などに入れて野菜室で保存しましょう。また、ゴーヤは種の部分から傷むため、種とワタを取り、ラップで包んで冷蔵保存すると日持ちが良くなります。
夏こそゴーヤと思い、我が家もゴーヤを植えていましたが、ある年からゴーヤが大きくならないうちに、色づいて身が割れ、跳ねるようになりました。ここ数年は、産直のおいしいゴーヤをたくさん食べ、夏場を乗り切っています。