【超高齢化社会を支えるお仕事】1.脳神経内科とは

【超高齢化社会を支えるお仕事】1.脳神経内科とは

いわて医療通信
岩手医科大学 いわて医療通信

 みなさんは脳神経内科をご存じですか。脳神経内科がどんな病気を診療しているのか、どんな研究を行っているのか、ピンとこないという話を多くの方々から伺います。高齢者の方の病気としてよく知られ、なじみのある病気の診療を担当しているのですが、意外と知られていないのではないかと私自身感じています。もっとよく知っていただくために今回から全6回シリーズで私たち脳神経内科医のお仕事について紹介したいと思います。

 人体の加齢に伴う機能的な変化は、ある程度の年齢までは「成長」と呼ばれます。しかし、それが過ぎると「老化」といわれるようになります。いわゆるこの「老化」は脳や神経、血管、内臓、筋骨格系にも現れるため、病気の発生やその治療にも影響を及ぼすことになります。とりわけ脳神経系の老化に伴う変化は認知機能や感覚・運動機能、自律神経機能などへの影響が目立ち、日常生活に対しても支障をきたすことが少なからずあると思います。この脳および神経系に発生する病気を診療対象としているのが脳神経内科です。脳卒中や認知症、手足のふるえや、動作緩慢、筋強剛(筋固縮)、姿勢保持障害(転びやすいこと)が特徴のパーキンソン病などが私たちが診療している代表的な病気です。なかでも認知症とパーキンソン病は超高齢化に伴って患者数は増加の一途を辿っており、早めの専門医への相談が呼びかけられています。

 日本は世界的にもトップクラスの長寿国家です。ですが超高齢化社会が医療にもたらす影響はとても大きく、成人を対象とする多くの診療科がすでに高齢者を対象として診療を行っています。年齢では65歳以上の方が高齢者に該当しますが、より高齢化率の高い岩手県ではその状況が顕著に認められています。日本も国策として、難病法、脳卒中・循環器病対策基本法、認知症基本法など病気になった方をサポートする法律が成立しており、国を挙げてこれらの診療および研究に注力しています。脳神経内科医は超高齢化社会の日本を支えるための一翼を担う診療科なのです。

 次回は私たちが診察する、脳と神経についてお話しします。これからどうぞよろしくお願いします。

岩手医科大学
脳神経内科・老年科

前田哲也

■取材協力

岩手医科大学 >>

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