今回は更年期障害の治療についてご紹介します。 日常生活の中でできることとして、次のようなものがあります。
① バランスの良い食事(図参照)を取る。
②毎日30分くらいできる運動をする。
③音楽や映画などを楽しみ、リラックスできる時間を持つ。
これらのような工夫を続けても症状が改善しない場合は、産婦人科(ヘルスケア外来)を受診して症状を正直に打ち明けてください。医師があなたの体質や症状に合った漢方薬などを用いた治療を提案します(図参照)。


また、ホルモン補充療法を選択する場合もありますが、高血圧と肥満がある方は注意が必要です。以下の条件に当てはまるときは、治療が受けられないことや慎重投与(慎重に判断する場合)が必要になることがあります。
・ 活動性の肝疾患がある。
・ 現在または過去にホルモン感受性のがん(特に乳がん)がある。
・ 原因不明の性器出血や子宮内膜増殖(子宮内膜がんの疑い)がある。
・ 妊娠している。
・ 静脈の血栓塞栓症の既往や血栓リスクが高い。
・ 冠動脈疾患や脳卒中の既往、高度な心血管系障害の危険度を持つ。
誰でもどこでも受けられる治療ではありませんので医師とよく相談してください。
ホルモン補充療法では終了時期(年齢)は決まっていません。状態が改善してきた場合には徐々に減量し治療をやめる場合があります。改善した状態を維持したい方、または閉経後に症状がひどくなるのが心配な方は、医師と相談しながら定期的に通院して継続することもできます。
更年期症状は、改善できることが多いです。日常生活の工夫でつらさが減らない場合は、更年期を専門とする医師に相談し、ご自身に合った治療を選び元気に過ごしましょう。
岩手医科大学
産婦人科
小山 理恵
■取材協力



