取材協力:Pono books & time
開運橋を大通り方面に渡ってすぐ左側に、木の立て看板が目に入ります。扉を開け階段を上った2階が、本と時間を提供するポノブックスアンドタイムです。
店主の小山由香理さんは一関市出身。親の転勤で県内を転々とし、11歳の時に盛岡に来ました。幼い頃は、幼稚園の先生だった母親からよく絵本を買ってもらっていたそうで「本に囲まれた環境で、自然と本好きに育ちましたね」と話します。その頃は本屋になることを夢見ますが、難しいよと親から教えられ諦めることに。それから自分のやりたいことよりできることを優先する考え方に変わったと小山さん。高校卒業後は専門学校に進学し、その後歯医者や契約・派遣社員を経てIT関連会社に勤めます。
30歳半ばのある時、コミュニケーション技術の講座を受け、自身の今後の在り方を考えます。「ふと自分の人生を振り返った時に、小さい頃なりたかった本屋の夢を思い出して。あの時は諦めて自分の気持ちに蓋をしてしまったけど、今その夢を叶えたいと思い、本屋を開くことを決意しました」。
その後は仕事を継続しながら起業スクールでノウハウを学び、5年の準備期間を経て念願の本屋を副業で始めます。本は新刊と寄贈された古本、漫画、雑誌、絵本などジャンルはさまざま。リンゴ箱を積み重ねて本棚にしディスプレイするなど、工夫しながら温かみのある雰囲気づくりを手掛けます。本に没頭したりパソコン作業に集中できるよう、1時間から有料で利用できるワークスペースも完備。他にもトークイベントや自身の大好きなプロレスイベントを開催し、人と交流できる場を作ります。「自分のための時間や、誰かの背中を押せる場所にしたいです」と小山さん。より多くの時間を提供したいと思い、17年勤めた会社を退職。「今年は『世界とつながる』をテーマに、オンラインで他国の文化や人と触れ合うことを計画中ですね」と言います。
家で過ごすことに飽きたと感じている方、たまには外に出掛け、ゆったりとくつろげる本屋で読書の時間を楽しんでみては。
Pono books & time
盛岡市大通3丁目7-9 東北堂ビル 2階
019-601-7253
※工事のため現在は休業中。プレオープンは来年1月の予定。営業日詳細はお電話を。