生涯現役のシニア ~90歳で15冊目の本~

生涯現役のシニア ~90歳で15冊目の本~

シニアナビ
大森ふじおのシニアナビ

盛岡生活文化研究室 大森ふじおさん

 生涯現役で頑張るシニアが増えています。15冊目の本「生きて書いて九十年」を出版した県中小企業診断士協会顧問の宮健さん(90)もその一人。岩手銀行員時代に第1冊目の「経営分析実務」(1970年)を執筆してから、この半世紀にわたり「いわて流通の先駆者たち」、「二足のわらじ」などを上梓(じょうし)し、行員や診断士の仕事と文筆の活動を続け、二刀流を実践しています。卒寿記念の新刊では「日報論壇」(岩手日報)や「宮健のズバリ寸評」(日刊岩手建設工業新聞)などから90編を収録。同行中ノ橋支店(現赤レンガ館)支店長時代の赤レンガギャラリー開設の思い出、原敬から学んだ挫折を乗り越える不屈の精神、人の心に灯をともす人としての寂聴さんのこと、ニューヨークタイムズで盛岡を紹介したモドさんへの感謝の気持ちなどが収められ、宮さんの人柄と関心の幅広さをうかがわせています。24歳のとき、新聞小説コーナーに恋愛小説で応募し、3席に入るなど早くに文才を発揮。その後は経営の要諦と文学・歴史からの学びの大切さを平易な文でつづってきました。「多くの人との出会いで、15冊目を出せました。これからは社会貢献で恩返しをしたい」と90歳の決意を語る宮さん。今年は「知性より品性」をテーマに掲げており「ネットで知識は得られる時代。人の価値は品性」と含蓄のある話をしていました。

シニアズ2月号「大森ふじおのシニアナビ」生涯現役のシニア〜90歳で15冊目の本〜
15冊目の本を出した90歳の宮さん

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