大通りのさわや書店2階に、創業45年になる「オンディーヌ」という喫茶店があります。店内に並ぶアンティーク調のテーブルやイスが老舗のレトロ感を漂わせ、静かに流れる音楽が心地よくゆったりと過ごせそう。幅広いジャンルの漫画が置かれており、 漫画喫茶のような雰囲気も。「漫画は、お客さんから人気のものを聞いて取り揃えているんです」と話すのは代表の中田貴博さん(44)。 盛岡出身の中田さんは高校まで盛岡の学校に通い、サッカーや野球に励むスポーツ少年だったとか。その後東京の大学に進学。父親が喫茶店を何件か経営していたこともあって在学中は勉強しながら喫茶店でアルバイトをしていたそうです。

卒業後は地元の居酒屋に10年勤めますが、31歳の時、父親が経営していたオンディーヌを急遽受け継ぐことに。「教わる時間もないまま、翌日からお店に立つことになって。 アルバイトで喫茶のノウハウは学んだものの、メニューや経営のやりくりはわからなかったので、最初は手探り状態でしたね。父の味を求める人が多かったので、 その期待に応えるべく再現するのに苦労しました。いつでも同じ味を提供できるようになるまで一年ぐらいかかりましたね」。その後、自身の味もお店に出していきたいと、新メニュー作りに励む中田さん。当時6種類あったメニューは、今では20種類に。昔ながらのナポリタンは今でも大人気で、この味を求めに来る人も多いのだとか。 5年前から始めたあんコーヒーもおすすめの一つ。「盛岡ではあまり見かけない組み合わせなので、よく驚かれますね。いろいろ食べ比べをした上で、うちのコーヒーと合うあんこを厳選しました」と中田さん。今までは愛煙家のお客さんが多かったそうですが、 時代が変わり禁煙となった今は家族連れのお客さまが増えているそう。「レトロな雰囲気が懐かしくて落ち着くと言われるのが嬉しいですね。歴史ある喫茶店なので、これからも癒しの場所として続けていきたいです」。

クリームソーダなど、お子さまが喜ぶメニューもたくさんあるので、ぜひお孫さんと出かけてみては。