取材協力:ひねもす ほっと茶屋
盛岡八幡宮近くの静かな路地に佇む「ひねもす ほっと茶屋」。店内に入ると、温かな空間が広がります。
店主のよしだかずをさんは盛岡市出身。やりたいことは死ぬまでに全部やりたいと、趣味の音楽活動に励みながら、仕事と資格取得を両立する日々を送っていました。次の道を模索していたある日、フッと飲食店をやってみようと思いついたよしださん。「女房が喫茶店で働いていたので、コーヒーを任せられるなと思って。自分は板前見習いをしていたから料理ができるし、二人で喫茶店を開こうと思いました」と、まずは物件を探し始めました。
競争の激しい環境でお客さんを取り合うのではなく、落ち着いた場所で自由にお店がやりたい、と今の場所に決めたよしださん。借りた建物は元々飲食店だったものの、当時は物置状態で、知人と協力しながら改装を進めたと言います。「音楽活動の中で知り合った写真家やイラストレーターの方が発表の場を求めていると知って、自由に展示できる場を作ろうと、白い壁にこだわりました」と振り返ります。お客さんを楽しませたいと、照明で朝昼晩を表現したり、子ども連れでもくつろげるよう座敷を設けるなど店作りにこだわり、約半年の期間を経て、理想のお店をオープンさせました。
開店当初はお店に専念するため、音楽を辞めようとしたと話すよしださん。音楽仲間にはお店のことを伝えず開店させましたが、いつの間にか話が広がり、自然と仲間が集まってきたと言います。「結局仲間に背中を押されて、音楽活動を再開しました。たまに仲間たちがお店でミニライブをやったりもして。音楽や展示、いろんなことがきっかけで人とのつながりが増えて、それが一番のやりがいです」と笑います。今ではよしださんとの会話を楽しみに訪れるお客さんも多く、開店初期からの常連さんには「自由にくつろげるほっとするお店」と評判です。「気軽に来て、自由にお店を楽しんでほしい」とよしださん。コーヒーを片手に、ほっとする時間を過ごしてみませんか。


