取材協力:ウインズ
盛岡市本町通の県道から路地に入ると、レトロなれんが造りの外観が目を引く建物があります。40年以上にわたって営業を続ける喫茶店「ウインズ」です。
店主の及川幸枝さんは奥州市水沢出身。旦那さまの転勤をきっかけに盛岡に移り住み、市内のコーヒー専門店で3年ほど働きました。そこで学んだ知識があったことや、もともとコーヒーが好きだったこと、また親戚が東京でコーヒー豆の専門店を営んでいたこともあり、その店で仕入れたコーヒーを提供する店を始めてみようとウインズをオープンしました。開店当時の思いを聞くと「若かったから、何か新しいことに挑戦しようと若気のいたりで始めたと思うんだけど、40年以上もたったら忘れちゃった」と及川さん。長く続けてこられたのも、「気負ってやらないのがよかったんじゃないかな。コーヒーもさらっと入れるのがいい」と、肩の力が抜けた自然体で笑います。
お店で提供するのは、東京のコーヒー専門店から仕入れた豆を及川さんが配合したオリジナルブレンド。注文を受けてから丁寧にハンドドリップで入れたコーヒーは、及川さん好みの酸味が感じられる味わいです。コーヒーと一緒に軽食も楽しめるので、カウンターには食事をしながら及川さんとの会話を楽しむお客さまの姿が絶えません。
お客さまの年齢層もさまざま。毎週訪れる90歳代の常連さんもいれば、口コミで知りレトロな雰囲気を求めて訪れる若いお客さまも。最近では付近を散策するついでに訪れる外国人観光客もいるそうです。時代と共に変化するお客さまとともに、お店は40数年を歩んできました。
お店を開けるのはもう習慣のようなものと及川さん。ご近所さんや常連さんにとっても日常に溶けこんだ、くつろいで過ごせる場となっています。店内はパリの蚤の市で買ったポスターや、常連さんの絵が飾られたレトロな空間。コーヒーを片手に、およそ半世紀弱の歴史を感じてみてはいかがでしょうか。
ウインズ
盛岡市本町通3ー17ー3
019-654-2591
※工事のため現在は休業中。プレオープンは来年1月の予定。営業日詳細はお電話を。