高値が続く野菜。毎日しっかり取りたいですが、生長点(生長しようとする箇所)・調理法・切り方で大切な栄養をロスしていることがあります。今回は野菜の栄養を無駄なく取るための方法を紹介します。
● “生長点”は、そのままにしない
野菜には葉菜類、根菜類、果菜類などがあります。そのなかで、白菜、キャベツ、レタス、ブロッコリーなどの葉菜類は生長点を持ったまま収穫されます。生長点は収穫後も生長しようとするため、そのままにしておくと、野菜の栄養はどんどん減り、鮮度も落ちてしまいます。
● 白菜は中心部から食べよう
半分に切った白菜が、日が経つと切口が盛り上がるのは、芯にある生長点が生長するため。生長点がある中心から食べると、グルタミン酸、カリウム、そして疲労回復効果のあるGABAなどが取れますが、外側の葉から食べていくと、生長点に養分が送られ続けるため、旨味や栄養が抜けた状態を食べることになります。中心部で作る薄味の塩もみ漬けは、GABAが6倍に増えるとされているのでおすすめです。
● ブロッコリー、カット後4~5分放置
ブロッコリーの生長点は、蕾にあたる花蕾(からい)の部分。数万個以上の蕾に栄養を送るため劣化が早く、購入後は花蕾を大きめの房にカットするのがポイント。すぐに使用せず、4~5分放置してから調理すると、抗酸化作用のあるスルフォラファンが生みだされます。茹でるよりレンジで加熱する方が、ブロッコリーに多く含まれるビタミンC・B1・B2・葉酸などの水溶性ビタミンの流失を防ぎます。また油で調理すると、脂溶性ビタミン(βカロテン、ビタミンE)の吸収率がアップします。捨ててしまいそうな茎は厚めに皮を剝くと、金平などに使えます。
● レタスは爪楊枝を刺して鮮度保持
レタスの生長点は芯の底。生長点の細胞を壊すため芯に爪楊枝を数本刺し、キッチンペーパーで包み、保存袋で冷蔵保存すると新鮮さが保たれます。水洗いし、手でちぎるとビタミンCの流出を防ぎ、切口が赤くなる酸化が防止されます。レタスは白血球を活性化させ、ガンなどの腫瘍を攻撃するTNF-αという成分が野菜のなかでもトップクラスとされています。
● 切り方で違うニンジンの栄養
「皮」を剥いてから調理する人が多いニンジン。実は「皮」と呼ばれている部分は「内鞘細胞」と言い、βカロテン、ポリフェノールが多く含まれています。本来、ニンジンの皮は極薄く出荷時の洗浄で剥がれているため、調理の際はサッと洗うだけで良いのです。中心から外側に栄養を送るので、棒状やサイコロ状より、輪切りや乱切の方が内・外側が食べられ、お得に栄養を取ることができます。
大切な栄養を逃さずしっかり摂取して免疫力を保持しましょう。