クルミの魅力 ―オメガ3脂肪酸や抗酸化物質がいっぱい―

クルミの魅力 ―オメガ3脂肪酸や抗酸化物質がいっぱい―

健康食
正しい知識で食べて元気に 健康食
管理栄養士 菊池洋子さん

 ナッツ類は脂肪が多いため、敬遠する方もいると思いますが、体に良い栄養素が多く含まれています。今回は、ナッツ類の中でも特にオメガ3脂肪酸や抗酸化物質などを多く含むクルミを紹介します。

カルフォルニアくるみ協会が支援

 国内で流通しているクルミの99%はアメリカを中心とする外国産です。そのアメリカでは、カルフォルニアくるみ協会がクルミに関する栄養と健康関連の研究を支援しており、さまざまな大学が研究報告を行っています。クルミのオメガ3脂肪酸や抗酸化物質に関する報告もその一つです。

オメガ3脂肪酸が豊富

 クルミには、イワシなどの青魚に多いEPAやDHAと同じ仲間のオメガ3脂肪酸・αリノレン酸(ALA)が多く含まれています。αリノレン酸は、食品から取らなければならない必須脂肪酸の一つで、ナッツ類ではクルミがダントツの含有量です。クルミ20gで、イワシ一尾(約60g)と同じくらいのオメガ3脂肪酸を取ることができます。 

 長年の研究で、クルミのオメガ3脂肪酸には悪玉コレステロールや中性脂肪の低下、血管を柔軟に保つ効果、抗炎症作用があり、心臓血管疾患、糖尿病、肥満など生活習慣病のリスクを下げることが分かっています。

 また最近では、植物由来(クルミ、えごま油など)と海洋由来(青魚など)の2つのオメガ3脂肪酸を含む食事は「死亡リスクの低下を始めとする、心筋梗塞患者の予後の改善につながる可能性がある」ことも報告されています。青魚を食べる機会が多い私たちには、クルミを併せて取ることでより効果が高まるのは嬉しい結果です。

赤ワインを上回るポリフェノール量と働き

 クルミにはポリフェノールやビタミンEなどの抗酸化物質が含まれています。クルミの薄皮部分にポリフェノールが豊富に含まれており、30gで赤ワイン1杯を上回る含有量です。研究者は「クルミは、酸化した悪玉コレステロール(LDL)などから心臓を守る抗酸化物質のポリフェノール量、また、その働きが最も優れていた」と述べています。クルミ30gは量が多いという場合は、2回に分けてヨーグルトなどにトッピングするのも良いと思います。

タンパク質やビタミン・ミネラル類も

 意外にも、クルミは20gで2.9gもの植物性タンパク質を含んでいます(納豆20gは3.4gのタンパク質量)。また、ビタミンB群の他、ナトリウムの排泄を促し、血圧降下作用のあるカリウムも豊富に含んでいます。

クルミを使った丼ご飯

 クルミをスナックのようにそのまま食べるのは簡単で良いのですが、20〜30gを毎日食べると飽きがくる方もいるでしょう。そんな時はご飯に納豆ミニパック1個、温泉卵や目玉焼き1個、アボカド1/2個、クルミ10g、のり少々、しょうゆ適量を載せた丼ご飯はいかがでしょうか。3大栄養素(糖質、タンパク質、脂質)はもちろん、オメガ3脂肪酸、食物繊維、ビタミン、ミネラルたっぷりの食事になります。

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