【50歳以上は気をつけよう】3.帯状疱疹の予防

【50歳以上は気をつけよう】3.帯状疱疹の予防

いわて医療通信
岩手医科大学 いわて医療通信

 発症し、治療が遅れると痛みが長引いてしまう帯状疱疹。その治療について、先月号でお伝えいたしましたが、今回は予防法についてお話していきます。

 帯状疱疹は、免疫力が低下したときに発症しやすい疾患です。そのため、日常生活の中で免疫力を高め、抵抗力を維持する生活を心がけることが予防には重要です。具体的には、規則正しい生活が基本になってきます。早寝早起きや十分な休息をとること、バランスの良い食事を心がけることや適度な運動を行うこと、そして、ストレスをためないことなどが帯状疱疹の予防に役立ちます。しかし、実際に生活の中で完全にストレスを避けるということは難しいですよね。そこで、発症予防のために、ワクチンを活用し、予防接種することをおすすめします。

 50歳以上の方は帯状疱疹の予防接種を受けることができます。現在、帯状疱疹ワクチンには「生ワクチン」と「不活化ワクチン」の2種類があります。生ワクチンは水ぼうそうのワクチンと同じタイプで、弱毒化したウイルスを使います。生ワクチンは抵抗力が下がっている人には使用できないことがあります。ただし、これまで子どもにも使用されているケースもあるため比較的安全性は高いといえます。一方、不活化ワクチンはウイルスの一部を用いて作られており、基礎疾患を持っている方でも接種可能です。

 どちらのワクチンにしても良い点、悪い点がありますので、自分に合った方法を選ぶため早めに医師と相談することが大切です。

 また、ワクチン接種には費用がかかります。健康保険は適用されないため、接種費用は自己負担となります。市町村によっては助成を受けられる場合もありますので、助成制度を活用されることをおすすめします。ですが、受けられる条件や助成される内容は各自治体で異なりますのでお近くの医療機関やお住まいの地域の役所に相談してみてください。

 帯状疱疹は予防が大切です。しかし、万が一発症してしまった場合でも、早期に治療を開始することで症状の重症化を防ぎ、後遺症のリスクを軽減することが可能です。「ピリピリする痛み」や「発疹」などに気づいたら、できるだけ早く皮膚科医にご相談ください。

 帯状疱疹について正しい知識を持ち、予防と早期対応を心がけることで、健やかな日々を過ごしましょう。

岩手医科大学
皮膚科学講座

佐々木 夢希

■取材協力

岩手医科大学 >>

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