雫石町の県道212号線沿いの商店街にある白い蔵のような建物は、昨年オープンした「Cafe Room curry & coffee」です。

　店主の１人、吉田進之介さんは、知らない土地に行くのが好きだったためワーキングホリデーでオーストラリアへ。そこで知り合った友人から勧められたことがきっかけでインドを旅していましたが、半年ほどで新型コロナウイルスのために足止めに。何もできない日々が続く中、毎日スパイスからカレーを作り続けていたそう。その時にカレー作りの楽しさに目覚めたと話します。

　その後、無事帰国した吉田さんは、日本や海外各地を巡り歩いて仕事をし、知人に手作りカレーを振る舞う中で「もっとたくさんのカレーを作ってたくさんの人に食べてもらいたい」と考えるようになります。そこで岩手に戻ったのを機に、友人の谷藤なるみさんに相談。谷藤さんはメルボルンで働いていたことがあり、現地のカフェ文化に触れてコーヒー好きに。人の集まる空間を作りたいと考えていましたが、開業のきっかけがなかったとか。そこで食事だけではなく、カフェとしてもくつろいで過ごせる空間を作ろうと、２人でお店を構える決心をしました。

　内装は全て２人のDIYによるもの。どんなお店にするか時に意見を戦わせながら、力を合わせて1カ月で現在のお店を作り上げました。苦労のかいがあり、清潔感のある店内は誰でも入りやすい明るい雰囲気となっています。

　そんなお店の人気メニューは、インドカレーを日本人好みにアレンジした甘口のカレー。カフェメニューも充実しており、コーヒーのほか、チャイやラッシーも楽しめます。「カフェだけの利用も大歓迎です」と谷藤さん。店名の由来となった「誰でも部屋のようにくつろげる場所に」という思いの通り、ついつい長居してしまうお客さまも多いそう。

「いろいろな世代の人と会えるのがお店の面白さ」と口を揃えるお二人。もっとたくさんの人が集まる場所にしていきたいと思いを語ってくれました。